- 246 :本当にあった怖い名無し[sage]:2011/06/04(土) 08:43:19.22 ID:R8tXp9pEi
- 記憶に残ってる話。
五歳前後だったと思う。僕は両親と車で何処かに向かっていた。僕は後部座席で田んぼばかりの風景を眺めていた。
すると晴れているにも関わらず、急に雨が降り出した。
僕は、不思議に思い両親に尋ねた。
すると母が「晴れているのに雨が降っている時は、狐が嫁入りしよるんよ。」
と答えた。
僕は、その答えに素直に納得した。
すると母が「ほら」と、外を指差した。
外を見ると、田んぼと田んぼのあぜ道を神前式の格好をした新郎の狐と新婦の狐が行き、その後ろを袴を着た狐が連なる行列があった。
僕の目にはその光景がとても綺麗で神聖で微笑ましく写り、今でもたまに思い出す。
あり得ない光景だとは分かっている。
今では母にあの時の事を聞く事も出来ない。
でも、それでも、晴れた日に雨が降ると、何処かで狐が嫁入りしているのかなと、あの光景を思い出す。