答え合わせ

218 本当にあった怖い名無し [sage] 2013/06/29(土) 19:55:50.72 ID:YahTOgK/0 Be:
昔、高校受験の勉強で市販の問題集をやっていた時の話だ
一通り回答した問題の答え合わせをやっていたのだが、1問だけ正解と解説を読んでも分からない問題があった

何度計算してもAなのに問題集付属の解答にはBと書いてある
しばらく考えて気付く「これ問題集の模範解答の方が間違ってるじゃん・・・」

すこしイラッときた俺は模範解答を赤ペンで書きなおしてやった「ハハッざまぁw」
市販の問題集といえど、誤字脱字間違いは時々あるので別にそこまで気にしていなかった

勉強の腰を折られた俺は、いったん下の階に下りて飯を食べてから再び勉強を開始したが
先ほど俺が訂正した模範解答が、本当の正解である解答になっている
俺が引いた赤ペンでの斜線と正解はあとかたもなく消えていた

簡単にいえば、もともと模範解答にはA(出版社のミス)と印刷されていたのが少し目を離したすきにB(正解)にきれいに書き変わっていたのだ

記憶違い・・・?確かに過去にAだったものが何かのひょうしにBになっていた、なんてことは何回かった
でも今回は記憶がはっきりしている。確かに問題集の模範解答は間違っていて俺は訂正した。不思議だ。

こういうことが起きるのは決まって確率の低い方から高い方への書き換えだ。
パラレルワールドやタイムパラドックスについては詳しくないが、過去に何らかの変化があった場合その時点でパラレルに分岐するという考えが一般的なのだと思う
けどもしかしたら、世界線(?)は一つで過去が変わったらそれ以降の未来は書き換えられているのかもしれない。それに気付かないだけで。

完全犯罪マニュアル

162 本当にあった怖い名無し [sage] 2013/06/26(水) 23:09:38.29 ID:QD0a663NT Be:
もしかしたらスレ違いかもしれないが少し聞いてくれないか?
他のスレで2ちゃんオカルト板の過去スレ読みまくってたんだが、検索してる所に自殺マニュアルって懐かしい本の話が出てきた。
最近出来たスレで懐かしいなーとか思って読んでたんだ。
そこでフト、そう言えば昔俺の友達の兄貴が聞いた事も無い通販サイトで自殺マニュアルを注文したんだ。
聞いた事も無い通販サイトだったから、凄く胡散臭かったけど500円って格安の値段に惹かれて頼んだらしい
で、一週間後にちゃんと届いて一安心だったんだけど届いたのは自殺マニュアルじゃなくて完全犯罪マニュアルって題名だった。
しかも、B4のコピーでホッチキスで纏められた何ともしょぼい作り
最初見た時は全員笑ったね、兄貴もちょっと恥ずかしそうだった。
163 本当にあった怖い名無し [sage] 2013/06/26(水) 23:18:31.41 ID:QD0a663NT Be:
ここまで書いたんだけどスレ違い?スレ違いなら誘導お願いします
もしくは殺人マニュアルなんて誰もが知ってる有名?な本の話しならやめた方がいいよね?
164 本当にあった怖い名無し [sage] 2013/06/26(水) 23:24:16.18 ID:6psOMZls0 Be:
遠慮なくすすめてください^^
165 本当にあった怖い名無し [sage] 2013/06/26(水) 23:44:22.89 ID:QD0a663NT Be:
500円という値段からして自殺マニュアルをコピーしたいわゆるB版は許せるとしても
自殺マニュアルと完全犯罪マニュアル、題名からして間違えてる不手際さ、何とも言えない空気だった。
場の空気を読んだ兄貴はひとしきり笑った後に表紙をめくった。
するとひきつった笑顔から一変して怪訝そうな顔をしたんだ。
その顔を見た俺たちはコピーでも自殺マニュアル、やっぱり凄い事が載ってるのかと思って顔を寄せて本を覗き込んだ。
するとそこには解錠の仕方が載っていたんだ。
南京錠から自転車の鍵、果てはシリンダーの構造から全て図解と白黒の写真(コピーだから)でどう針金を入れれば開けられるか克明に書かれていた。
俺たちは頭に一瞬疑問符を浮かべてアホヅラを見合わせたんだけど。
全員が理解した途端口の端をあげて針金を探したね。
まずは南京錠、余裕でした。
自転車、更に楽勝、最後は家の鍵
克明に書かれたそれの通り針金を曲げて、針金が通らない時は少し硬めの金具を本の通り曲げて、誰が一番か競い合うように開けていったんだ。
166 本当にあった怖い名無し [sage] 2013/06/27(木) 00:11:31.28 ID:wOLSy2A2T Be:
ひとしきり家の中で開けれるもの全て開ける頃には自殺マニュアルスゲーとか言って、さっきまで複雑な顔をしてた兄貴が大威張りの態度に豹変してたから、笑った。

さすがに開けるのも飽きてきたんで兄貴に次の項目を見ようって頼んだら勿体ぶるもんだから、また笑った。
次の項目は何だろう、ドキドキしながら次の項目を読むと自動販売機とかゲームセンターのゲーム機の壊し方、その他とりあえずコインを投入する系全般が載ってたけど、俺たちはガキだから目がいったのはゲーム機の壊し方だった。
多分これは結構有名だし、試す人がもしかしたら出るかもしれないから書かないけど(犯罪助長)ある道具で簡単にゲームのクレジットが無限になる方法。
それを一通り目を通した後、俺たちは近所の駄菓子屋に置いてあるゲーム台にダッシュで向かったんだ。
そこの駄菓子屋は店舗の外にゲーム機を数台置いてる店なんで、中のおばちゃんに気づかれる心配も無いし、割と毎日行ってたんで俺たちが団子になってゲーム台を囲っても不審に思われる事は無いから安心して行動に移った。
1回目、画面真っ暗。2回目変な数字出る。
3回目、祈る思いで力を入れた。
すると、画面に1P、2P選択画面が出た!
クレジットを全員で覗き込むとグチャグチャの数字。
大成功!それに静かな雄叫びをあげると俺たちはソッと裏のコンセントを引き抜いて元の状態に戻すと笑ながらダッシュで家まで帰った。
167 本当にあった怖い名無し [sage] 2013/06/27(木) 00:38:01.97 ID:wOLSy2A2T Be:
そんなこんなで楽しんだ俺達だったんだけど、今日は時間も遅いし(子供的な時間)解散しようって事になったんだ。
不満はあったけど、親に怒られるのは嫌だし渋々解散した。
翌日学校では、昨日のメンバー(俺とAと本を買った兄貴の弟)と今日はあのマニュアルで何が出来るのかワクワクしながら教室の隅でコソコソ話した。
すると、自殺マニュアルを買った兄貴の弟が「兄貴がもうあの本は捨てた」と言ってきた。
俺達は素っ頓狂な声をあげて、弟を問い詰めた。
あんな面白い本を捨てた?嘘をつくな、さては兄貴が見せるの惜しんでるんだな、セコイ兄貴だ!
色々馬事雑言を弟に言ったが知らないけど、兄貴がそう言ってたの一点張りだった。
弟自体も困惑してたから本人を問い詰めるしかない、そう思った俺達は学校が終わるのをひたすら待った。
終わりの会で解散した後は一度家に戻ってカバンを捨てると弟の家に向かった。
丁度Aと合流出来たので、その勢いのままピンポンを押すと弟が困った顔で出てきた。
話を聞くとどうやらまだ兄貴は高校から帰って来てないらしい。
俺達は案内されていったん弟の部屋にあがらせてもらった。
そして、部屋の中で兄貴の悪口を言い合ってたんだけどAがある事に気付いて口を開いた。
今のうちに兄貴の部屋に入ったらいいんじゃね?
その一言に弟は若干嫌な顔をしたが、三人で顔を見合わせると何かを決意して立ち上がった。
Aと俺もそれに合わせて立ち上がると弟の後に続いて兄貴の部屋に向かった。
169 本当にあった怖い名無し [sage] 2013/06/27(木) 00:54:00.34 ID:wOLSy2A2T Be:
やばい眠い、ここって立て続けに書かないとダメなんかな?ほんとオカルトスレ初めてなんで申し訳ない。
ちなみに今思い出したけど、コインの項目でスロットのビッグ100%当てる方法も載ってて、今は絶対出来無いけど当時大人だったら、、、
寝ます、すいません、また明日良ければ書きます、誰か書いてたら様子見て終わった後に良かったら書きます、すいません
170 本当にあった怖い名無し [sage] 2013/06/27(木) 01:52:05.28 ID:zYJgp4PE0 Be:
>また、長文はまとめてから一気にコピペ推奨。
171 本当にあった怖い名無し [sage] 2013/06/27(木) 01:56:09.92 ID:p1rM1BLJO Be:
また続き書いてもらってもいいんだけど
犯罪マニュアルって普通に普通の本屋で売ってたんじゃなかったっけ?
殺人マニュアルって本を普通に売ってたのは覚えてるけど
確か、あの当時のそういう自殺マニュアルのパチもん本の流れで
普通に売ってたような気がする
172 本当にあった怖い名無し [sage] 2013/06/27(木) 01:59:28.50 ID:PVnsdNNY0 Be:
2日に分けて続き書くとか荒らし行為だろが
173 本当にあった怖い名無し [sage] 2013/06/27(木) 02:15:18.04 ID:wOLSy2A2T Be:
>>170
そうですね、すいません
>>171
やっぱりそうですか、検索しても全然引っかからないんで、やっぱりネタ本でしたか、これ以上書く必要もなくなりましたね。ホッとしました、ありがとう
>>172
荒らしですね、やっぱり、丁度>>171さんのお陰で靄が晴れましたんで、すいませんでした。
寝ようと思ったんですが、書いてしまって大丈夫か不安で寝れなかったんですが、助かりました。
完全犯罪マニュアルを知らない方は本を買って読んで下さい。
私も明日もう一度Amazonで検索してみます
良かったー、怖かったー
184 本当にあった怖い名無し [sage] 2013/06/27(木) 14:21:37.38 ID:wOLSy2A2T Be:
>>171
やっぱり無いよー、絶版になったのかな、、、
書籍だから著作権とかあるから「知ってる」「持ってる」ってコメントついたらやめよう、やめようって思いながら文書能力ゼロの書き込みしたけど。
書いてるうちにどんどん当時の思い出が鮮明になってきて、出来るだけ明るく書こうとするんだけど、どんどん思い出して怖くなるし
あんまり関わりたくないのも本心で、でも過去の真実を知りたいのも本心で
オカルト板の皆さんなら少しだけ書いた上の文だけでも手にした事がある人出てくると思ったんですが。
小説とか書いた事がないんで、オカルトな物を探すスレとか、そんなスレ無いですかねぇ
195 本当にあった怖い名無し [sage] 2013/06/28(金) 03:14:36.98 ID:+MeuI+CwO Be:
>>184
うーん、ゴメン
私も自分の記憶だけで書いてるから
本当に「完全犯罪マニュアル」って本が出版されてたかどうか断言はできない

けど、たしか本屋に並んでいたような記憶はあるし
当時は青山なんとかさんみたいに
そういう「完全にアウトな事を平気で書くライターさん」も、結構居たし

あと確か、結構内容的に(普通に犯罪に使える知識が書いてあるって意味で)
問題になって、そこそこ話題になってたような記憶もあるんだけどなぁ…

誰か、私以外にも「憶えてるよ!」って人とか
「持ってるよ!」って人とかが、出てきてくれると良いねー

毛むくじゃらのカバ

141 本当にあった怖い名無し [] 2013/06/25(火) 22:52:25.87 ID:wLQiOtSc0 Be:
9年前の話、誰にも話さずにいたけどふいに思い出したんで書いてみる。

当時中学生だった俺が、塾の帰りにチャリで走っている時の出来事。
8月の頭、夕方だった。

母校の小学校の脇を、走っている最中。
十字路の角から何かが曲がってきたので、当然車だと思って路側帯側に寄った。
ハイエースくらいの大きさだったけど、車じゃなかった。

戦車みたいに角ばった体で、黄緑の毛むくじゃらのカバ?みたいな生き物だった。

目を疑ったが、それは4トントラック並みの鈍くて低い音立てて駆けてった。
思わずチャリにまたがったまま立ち尽つくしていたが、そいつの後ろ姿が見えなくなったころに我に返った。

そいつと出くわしてた時、時間が止まっているような感覚だった。

絶対頭おかしいと思われるので今まで黙ってたけど、俺の人生で唯一の不思議な体験。

不可解な山中ドライブ

121 1/3 [sage] 2013/06/25(火) 14:09:15.71 ID:b/1f6FCF0 Be:
叔父から聞いた話し。

三十年くらい前、叔父が車を買って、ドライブの距離を徐々に伸ばしていくくらいの時期。
その日は海岸線を走っていたのだけど、海の風景に飽きて、山の車線にハンドルを切った。
それから三時間、ずーっと山の中。
途中まではアスファルト舗装の二車線だし、初めての道なのでなんとも思わなかったけど、さすがに三時間も山の中を走ってると(この道、大丈夫なのか?)とオカルト的に不安になってくる。
そう思って走っていると、信号がないのはともかく、文字や記号が一切無いのに気がつく。道路標識だけでなく、「この先何キロ工事中」とか「落石注意」の看板なんかも全然無い。
とはいえ引き返すには走りすぎているから前に進むしかないのだけど、とりあえずガソリンと時間だけは、まだまだたっぷりあるのが救いだった。
さらに走らせて数十分、先の遠いところで、ようやく人が歩いているのを見つけた。
122 2/3 [sage] 2013/06/25(火) 14:09:51.72 ID:b/1f6FCF0 Be:
あの人に道を聞こうとスピードを上げたのだが、はっきり見えるにつれ奇妙な人だというのが解る。
遠目には夏服か?と見えていたのが寝間着にしか見えない。ようやく近づくと、両肩をだらっと下げたおっさんが、多幸症のようにへらへら笑っていて、目の焦点も合わずに歩いてくる。
一応隣になったら車を止めて「あの~」と話しかけるのだけど、全然こっちを見ずに歩みを止めない。
駄目だこりゃと思いつつまた車を進めると、ようやく建物が見えてきた。
あの建物の人に聞こうと門を入っていったら、サナトリウムっぽい看板が掛かっていたのだけど、文字がよく読めない。
玄関につけて扉を開けて、受付に若造が座ってたので挨拶したら、なんか喧嘩腰っぽい態度で立ち上がってきた。
道を尋ねたら(しゃーねーなー)とウンザリした口調で「あの道をそのまままっすぐ進んだら町に出るよ」。
お礼を言って戻るとき、
「そういえば寝間着の男の人が歩いてましたけど、ここの人ですかね?」と言ったら、若造が真剣な顔になってちょっと考え、「あ!」と大声を出して、さっきの態度が嘘のように「教えてくれて、ありがとうございました」と丁寧に言ってきた。
車を動かすと、若造の言うように、本当にすぐ町に出た。
123 3/3 [sage] 2013/06/25(火) 14:11:05.53 ID:b/1f6FCF0 Be:
ガソリンも時間も大丈夫なんだけど、腹が減ったんで、すぐに目の前のラーメン屋に入ってラーメンを頼み、新聞をみたら、とんでもなく遠くの県に来ていることに気がついた。
といってもラーメン屋の主人には「すいません、ここ、○○県ですか?」と確認することくらい。
(たとえば千葉県を走っていたはずなのに、青森県に来ていたとかの感じ)
まぁしょうがない。
食べ終えて帰りしな、
「そういえばあの建物って、療養所ですかね?」
と聞いたら、そんな建物は無いと言われた。
頼んで地図を持ってきてもらったら、延々走ってきた道がない。少なくとも「すぐ町に出た」の曲がり角が存在せず、そこだけは直に確認した。

「まぁまたあの建物を探しに行く気力はないねぇ」

で、気になるのは、あの多幸症っぽい男の人は、若造に言ってよかったのだろうか?悪かったのだろうか?
あそこまで気が触れてしまっていたら(といっても叔父しか見てないのだが)、若造に内緒でこっちに連れてきても、扱いは変わらないんじゃないだろうか?

「あの世界」

108 1/6 [sage] 2013/06/25(火) 09:31:30.69 ID:n5Mg9yKf0 Be:
流れを読まずに投稿して申し訳ありません。

過去ログを読んでいて、似たような体験をした方がいたようで、ふと書き記しておきたくなったのです。
創作乙といわれるのを覚悟で書きます。どうぞご容赦ください。
これまで3回ほど異世界に行ったことがあります(あそこが異世界とするならば…)。
1回目は多分、9歳か10歳のころ、2回目は23歳のころ、3回目は10年前の36歳のころでした。

あの世界に行くのはいつもきまって、私生活がぐちゃぐちゃになった時でした。
1回目の時は、学校で激しくいじめられ、さらに家庭が崩壊していました。父と母は毎晩のようにケンカしていました。
そんなケンカを見るのがいやで、テレビも見ることもできず、いつもすぐに布団に入っていたものです。
ある日、目を覚ますとまだ夜で、何を思ったのか、誰かに呼ばれたか覚えていなのですが、外にふらふらと出ていました。
そこから記憶がなく、いつの間にか見知らぬ森を歩いていました。うっそうとしたジャングルみたいだと子供心に感じてしました。
いつの間にか、夕方みたいな時間帯になっていたのですが、眠いこともありぼーっとしていました。
何時間さまよったかわかりません。ほんの数十分くらいかもしれません。

ここからまた、記憶があいまいなのですが、その森で老婆に会い、彼女の家へ連れられていったのです。
そこは小さな集落でした。東南アジアの山奥の村のような感じの昔ながらの生活をしているようで、電気製品などはありませんでした。
ぼーっとしている私を、老婆の家族は暖かく迎えてくれました。老婆はきれいな人で、よく外国人がしゃべるような片言の日本語を話していました。
家族は、老婆の息子か娘の若夫婦とその子供たち5人がいて、とても元気がよくて、私とすぐ仲良くなりました。
暖かい家庭を知らなった私は、夢中ではしゃぎまわった覚えがあります。いつまでもここにいたいとも思っていました。
3日間くらいそこにいたでしょうか。子供たちに呼ばれて、家の外に出ようとした瞬間、私は元の世界に戻ってしまったのです。
あたりは夜で、私は家の玄関あたりにぼーっと立っていました。
109 2/6 [sage] 2013/06/25(火) 09:32:13.26 ID:n5Mg9yKf0 Be:
後ろから母親に「なにやってんの!」呼ばれ、ビクッと驚いたのを覚えています。私がむこうの世界に行ってから時間がほとんど立っていないようでした。
普通なら、親に「こんなことあったんだよ!」と報告して、信じてもらえないのがオチですが、うちの場合、親がいつもピリピリしていたのでそんなことも

言えずに、あれは夢だったのか…?こんなリアルな夢なんてあるんだな…と冷めていました。
しかし、今考えれば植物のツルできった傷や、汚れた服などの証拠もあったのですが…(やっぱり夢だったんだな、あんな楽しい生活あるわけないよな)と

いうショックで、ほとんど気にしてなかったのです。
その後…数か月して、両親は離婚。私は母親の実家に引き取られました。
それから約10年以上すぎました。
異世界の思い出はリアルな夢だと思っていました。結局、母親は実家に私を預けたまま、家を出て、どこかで再婚したようで、私は母方の祖父、祖母に高校

まで世話になりました。
感謝はありましたが、ことあるごとに私の父親の悪口や、私自身への悪口を頻繁にいうので、こんな家早く出たいと常々思っていましたので、高校卒業と同

時に、既に上京していた高校の先輩を頼って、私も上京しました。
今でいうブラック会社くらいしか就職先がありませんでしたが、なんとか倹約しながら生活をし金をためて、一年くらい世話になりつつ、それからボロアパ

ートに移りました。それからも待遇がよくない会社を渡り歩いてたのですが、23歳の時、またあの異世界に行くことになったのです。

当時、やはり私生活がボロボロで、家は寝るだけの生活で、ほとんど会社にいる日々でした。
さらに、責任ある立場になったのですが、給料は安く、社長からの理不尽なくらい集中攻撃を受け、精神も疲れ果てていました。
おまけに状況の際、世話になた先輩が、失業したこともあり、たびたび来ては金をせびるようになりました。その先輩は暴力団ともかかわりができたようで

、数人で脅しに来たこともたびたびありました。

数か月ぶりの休日の日、(なんで一生懸命働いているのに、こんなことになるんだろう…)と嫌気がさし、飲めない酒をあさっぱから飲んでいた時です。
吐きに洗面所に行こうとして、めまいがした途端、また、あの見覚えのあるような森にいたのです。
110 3/6 [sage] 2013/06/25(火) 09:33:18.99 ID:n5Mg9yKf0 Be:
「ここだ!」「夢!?」といろいろな思いが駆け巡りました。とにかく、あの家族がいるなら、会わないとと考え、歩こうとしたのですが、
裸足なうえに酔っぱらっていたので、森の中を歩くのは非常に困難でした。しばらく、森の中で佇んでいると声がかかりました。
若い女性でした。どことなく、昔あった老婆にも似ていました。
最初は何を言っているかわかりませんでしたので、ボケっとしていると、片言の日本語でしゃべってくれました。
運がいいことに、集落はすぐそばだそうで、家に来いということです。
何とか集落に行ってみると、そこはかつて私が子供のころに行った村そのものでした。どことなく違いはありますが、いろいろ見覚えがありました。
(あれは夢じゃなかったんだ!いや、これも夢か?)と、嬉しさ半分、疑心半分。しかし、現実世界がひどいものだったので、もうどうでもいいや的な思い

もありました。
どうしようもないので、しばらく女性の家に泊めてもらうことになりました。最初、女性は老婆の娘か孫ではないかと思いましたが、幼いころから大家族で

はないと言っていました。両親は幼いころに亡くなって、近所の人や知り合いの世話になってきたということでした。
女性は20代くらいで綺麗だったので、会った時から惚れていました。


原始的とは言っては失礼ですが、現代社会に慣れた私からすれば、かなり大変な生活だったんですが、まぁ彼女の助けを借りて、なんとか生活していました

。アバターみたいな世界でしょうか。あそこまで原始的で幻想的ではないですけれどね。生活としてはまさに理想的でした。
もとの生活に比べれば、本当に生きているという感じでしょうか…。
同時に、不安もありました。また以前のようにぱっと元の世界に戻されるのかもしれないという不安です。
すでにお気づきだと思いますが、元の世界に戻ってしまいます。これを書いているので当たり前ですが。
111 4/6 [sage] 2013/06/25(火) 09:35:14.70 ID:n5Mg9yKf0 Be:
3か月ほど経ったでしょうか。私は頭は悪いですが、手先が器用なので、生活にもずいぶん慣れてきました。村の人の言葉も簡単な言葉くらいはちょっとず

つわかってきました。
まぁ若い男女ということもあり、彼女とはそっちの関係にもなっていました。娯楽もないので、そういう関係になってからは毎晩していました。
最初からよく一緒にいると村の人にはよく囃し立てられていたものです。
そんなわけで、別れはあっさりとくるものです。
ある日突然、また現実世界へ戻ってきていました。

こちらの世界では何時間か経っていたようですが、やはりほとんど時間経過はなかったのです。ですが、私としては3か月ぶりくらいで、元の生活に戻すの

が非常に困難でした。何より不便でしたが精神的に満ち足りた生活だったのです。
もう彼女には会えないんだとショックで大泣きしました。はたからみれば精神異常者だったでしょう。

そして、それからまた年月が経ち、36歳になっていました。
ハイ。ちゃっかり結婚してましたw
彼女はどーなんだといわれそうですが、男はそんなものです。いつまでも引きずってられません。私も家庭がほしかったのです。
しかし、生活のほうは相変わらずでした。先輩からなんとかのがれ、地方に引っ越して、それから堅実に生きてきましたが、やはり働けども働けども暮らし

は楽になりませんでした。

そんな折に、縁あって結婚したんですが、また嫁さんもちょっとアレでして…
子供はもっと経済的に安定してからで…ということで、作らなかったんですが、嫁さんはパートをしていたんですが、すぐに辞め、しばらくすると家事もし

なくなってしまいました。家を空ける日も多くなり、浮気していたのでしょう。私はまた会社と家の往復の日々です。
詳細は省きますが、嫁の策略に会い、私が浮気したりDVしたりしたという悪い形で離婚になりました。
もうほとほと嫌気がさしました。
こんなことだったら、もうあの世界にずっといたい…。そう願っていました。忙しくてもいつも心のどこかにあの世界のことがあったのでしょう。
そして、願いが叶ったのです。
112 5/6 [sage] 2013/06/25(火) 09:35:48.39 ID:n5Mg9yKf0 Be:
夜遅く会社の帰りに、あの森へと飛んだのです。
すぐにわかりました。こちらの世界は朝早かったようで、薄暗かったのですが、何とか村へたどり着きました。
同じ村なのですが、やはり、やや違和感がありました。でもこのときすでに薄々気づいていたことがあります。
彼女の家を訪れてみると……
9歳か10歳かそこらの可愛らしい少女が出てきました。片言の言葉で、もどかしいながらもたずねます。
父親はすでに他界し、母親は病気で寝込んでいるようです。
怪しいオッサンのいきなりの登場に彼女は警戒を緩めません。村の人も出てきて、「なんだ、お前は」みたいなことを言ってきます。
片言で言いたいことも伝えられないのですが、何とか、迷ってこの村に来てしまった、どうかここで住まわせてくださいなどということを伝えました。
かなり怪しんでいましたが、長老みたいな人の家に泊まらせてもらいました。
10年以上のスパンがあったとはいえ、一度身に着けた技量はさびておらず、早くここの生活になじめました。


村人の警戒もだんだんととけてきた矢先、少女の母が亡くなりました。
私は、彼女を面倒を見ることを買ってでました。私は少女の親代わりとなり、新たな生活を始めました。
少女に出会ったとき、名前を聞いてすでにわかっていたのです。少女は私が以前に結ばれた女性であり…そして、最初にあった老婆だったことを。
そして彼女に日本語を教えたのも私だったことを……。
2回目に彼女に会ったときに、彼女は私のことを知っていたそぶりを何度も見せていました。彼女もわかっていたのでしょう。
ただ、これでもう一つ気づいたことがあります。
少女が成長して20代くらいになったときに、私はいませんでした。つまり、私は元の世界に戻ってしまうか、死んでしまうか…は決定してるのです。
答えは3年目に来ました。
113 6/6 [sage] 2013/06/25(火) 09:36:24.55 ID:n5Mg9yKf0 Be:
……3年……。長いようであっという間でした。
私はもう40近くになっておりました。正直言って、もう二度と元の世界に戻りたいとは思っていませんでしたが、運命は許しませんでした。
ある日、また突然に戻ってしまったのです。
元の世界では、まるまる1日が経っていたようで、携帯には会社からの不在通信が何個か表示されていました。
無断欠勤したということで、上司からはかなり叱られましたが、それだけ何とか済みました。
問題は容姿です。3年も異世界に行っていれば、完全に外見は一日前と違います。白髪が増え、肌は黒く焼けて皺が深く刻まれていました。
ストレスが原因じゃないかといわれ、強制的に会社を休まされ、病院にも行くように言われました。
ですが、私にとってはもはやどうでもいいことでした。

あの世界に行けないのであれば、もう生きていても仕方がない……そんな思いばかりが駆け巡っていました。
あれが、今でも夢ではないかと思うときもあります。

逆に夢だとしたら、そんな世界はもとからないんだと自分を納得させることもできます。
が、体に刻まれた多くの跡が夢ではないと語っているのです。
もう二度とあの世界に行くことはできないのでしょうか。
ただ一つ望があるとすれば……一回目に行ったとき、老婆が「つい最近、夫が亡くなった」みたいなことを言っていたような気がするのです。
ガキにそんなこと言う必要があるでしょうか。その夫は、もしかしたら4回目にあの世界に行って、天寿をまっとうした私だったのではないだろうか…と荒

唐無稽なことを思ってしまします……。

しかし……荒唐無稽とはいえ、未来に希望が持てない日々の中、そんな妄想がやめられないのです…。
ながながとすみませんでした。
おしまいです。

5年後

71 本当にあった怖い名無し [sage] 2013/06/22(土) 09:58:38.94 ID:Nt2dm0qbO Be:
デジャヴとはちょっと違うのかもしれんけど…

昔、同僚(同性)と話してる最中にイキナリ
「その人と私の実家で同居している未来」の生活が見えた
当時は、寮住まいで実家は数年空き家
もう帰っても住めないだろうと思ってたし
もちろん、その同僚に特別な感情があったワケでもない
「変な話だけど…」と当人に話して
「変な話だねぇ…」と笑い話として流してもらった

結局、その5年後
同居する事になり、一緒に暮らし始めて2ヶ月後
2chを見ている最中に
「あ、あの時に見えた通りの状況だ」とデジャヴ→その『記憶』通りに
「ご飯できたよー」と同居人から声がかかり
食事中に話してみたが、あちらは憶えていないようだった

お遍路さん

56 本当にあった怖い名無し [sage] 2013/06/20(木) 23:51:22.67 ID:McKOm02/0 Be:
流れぶつ切りで失礼する。

去年の夏に田舎へ帰る途中で体験した事なんだ。
車で田舎まで2時間半程度なんだけど、流石にずっと運転はしんどいから途中コンビニで休憩してた。
軽く体操して目薬差してお茶飲んで・・・ってしてたら東の方からお遍路さんが歩いてきた。
まぁ夏はお遍路さんも増えるから気にもならずいつもの光景・・・・・・だったんだけど、よく見ると人の形をした藁?みたいなのを背負ってる。
店の入り口で荷物を置いて、そのお遍路さんは飲み物を買いに行ったみたいだった。
あんまりジロジロ見るのも失礼だと思ったんだけど、その人形はなんていうか人形と言うよりも人を藁で覆った様なそんな不気味さがあった。
(なんで人形を背負って・・・?)とすごく気になってジーっと見てた。
するとコンビニから出てきたお遍路さんがオレの視線の気がついたみたいで、荷物の中に買い貯めした飲み物を入れながら話しかけてきた。

「なぜ人形を・・・という顔をされてますね?」
「はい、お遍路さんはよくお見かけますが、人形を背負って周ってらっしゃる方にははじめてお会いしました」
「はは、実はこれ私の女房のつもりでして」
「奥さんの・・・?と言うと?」
「女房は昨年うつ病をこじらせて自殺しまして・・・少しも女房の気持ちに気づいてやれなかったことが申し訳なくてね」
「それは・・・突然の事で寂しくなられて・・・」

その男性は埼玉の方から来たと話していた。
他愛ない会話、四国のここがいい、とかそんな事を話していたと思う。

話に花が咲いて30分ほど喋っていただろうか、男性がそろそろ出発します、と荷物を背負い人形を抱えた。
オレも田舎に昼までには着きたかったから挨拶をして別れた。

「それじゃあ、僕も西の方へ行きますんでまた機会があれば。お身体大事にしてください」
「ああ、どうもありがとう、キミも気をつけて」

コンビニの駐車場から出てミラーでお遍路さんを見る。
右手を振って挨拶してくれている姿に(奥さんも一緒に周れたらよかったのにな・・・)と思った。
57 本当にあった怖い名無し [sage] 2013/06/20(木) 23:51:56.49 ID:McKOm02/0 Be:
次の瞬間助手席のドアがガチャッと音を立てて開いた。
開いたといっても半ドアになっただけなんだけど・・・。
でも60キロくらいで走ってたから、人やバイクに当たったら大変だと思ってすぐに路肩に車を停めて運転席から腕を伸ばして助手席のドアのリムをひっぱった。
ふぅ、とため息をついて運転席に戻りシートベルトをしめて安全確認、右のドアミラー、左のドアミラーと順番に見たら、助手席側のドアミラーに一瞬だけ髪の毛が写った。
は!?と内心ビクッとしてバックミラーを見た。
遠くでお遍路さんがオレが停まってるのに気づいてまた手を振ってくれている。

その後ろで人形の右手も一緒にゆらゆら揺れていた。

本気で怖くなってフルアクセルで走り出した。
ルームミラーを見るのが怖くて怖くてどうしようもなかった。
田舎についてじいちゃんにコンビニでこんなお遍路さんに会った、と話したらため息をつきながら話してくれた。

「昔っから人の形したもんには人の魂みたいなのがつきやすいって聞いたわ。そりゃ死んだ奥さんの魂なのか、全然知らん人の魂いれて歩きゆうがやろ」
「そんなバカな話し、マンガやホラー映画じゃないんやから・・・・」
「アホ、藁人形もそうやし市松人形もそうじゃろうが?人の形したもんは安易に持ち歩いたりせんほうがええがじゃ。そりゃその旦那さんは奥さんの事考えてそうしたがやろうけど、周りに居るのが奥さんやとは限らんきの」

結局この後そのお遍路さんには会わなかったし、知り合いのお寺にも来てないって言われた。
周りの店で聞いても「人形を背負った人らぁ40年ここにおって見た事ない」と言われてしまった。
車のドアロックも異常なし、それ以降身の回りにも異常はなし・・・・。

好きな方角

9 本当にあった怖い名無し [] 2013/06/18(火) 22:49:20.29 ID:TdgMWlY20 Be:
長い話になるんだけど聞いて欲しい事がある。

人それぞれ好きな方角ってあると思う。
自分は南が好きで、家も南向きの大きな窓のついた所を選んだし、当ても無くドライブに行く時もほとんどは南の方へ走るんだ。
南側へのこだわりは小さい頃からあって、親にも「変なところにこだわる子供」と思われていたみたい。

子供の頃は南の方をみてボーっとしていると、なぜか懐かしくて切ないようなそんな気分になることが多かった。
それが何なのかもわからず、大きくなって高校生になったあたりで気がついたんだ。
初めて恋をして、人を好きになったとき、そんな感覚だった。
方角に恋してるのかよ、バカらしい・・・と思って誰にも言えなかった。

専門学校に入って免許を取り車を買った。
一気に活動範囲が広くなり、色々な所へ行った。
ある日の夕暮れ時、不意に車を停めて外へ出た。
そこは田んぼの真ん中、道路が南へスーっと抜けていて回りには山、遠くには雲しか見えない。

風の匂いをかいだ瞬間、一瞬頭に映像が流れた。
どこかの町なのか住宅街なのか・・・すごく懐かしい感じ。
最初はココまでしか頭に浮かばなかった。

それから似たような景色を見る度にちょくちょくその映像が流れるようになってしまった。
更にその現象は悪化して、授業中、南の窓から遠くの山や川を眺めているとき、周りの音が聞こえなくなるほど映像にのめりこんでしまう。
正直精神的なものを疑った。
親には言わずに病院へ行ったが、統合失調症や鬱の類ではないと言われた。
わけもわからず、ただボーっとする事も増えた。
何をしていてもその映像のことばかりを考えた。
何度目かの通院の時に、医師がこういう話があると話してくれた。

「私は畑違いだしそういう人を診た事が無いから断言はできないけれど、共感覚というものがあるそうだよ。有名な話だと文字に色がついて見えたり匂いを感じたりとそういう症状なんだけどね」
「ただキミの場合は当てはまらない事も多い、普通に考えれば精神的な部分を問題視する所だけど今までやった検査では異常と呼べるものはまったくない。だからキミが故意に作り出した・・・要するに作り話で無いとするとそちらも考えに入れたほうがいいのかもしれない」
10 9 [] 2013/06/18(火) 22:49:59.02 ID:TdgMWlY20 Be:
家に帰って早速調べた。
やはり自分の症状に似たものは何一つなかった。
テストもしてみたけど、文字や数字に色や匂いを感じることはなかった。
結局まったく違うものとして諦めざる終えなかった。

けど生活に実害があるというわけではなかった。
気を失うわけでもないし、途中で思考を戻す事もできた。
だから余り気にしないことにした。
昔から絵を描くのが好きで、漫画も描いている。
だから感受性とか想像力とかそういうものなのだろう、むしろ他の人よりも少しだけ秀でているのかもしれないぞ!と楽観的に考えた。

2度目の夏休み。
色々と煮詰まった自分はドライブへ出かけることにした。
県外で遊べるだけのお金はバイトで稼いでいたし、気分転換でもしないとアイデアもでないと考えた。
朝早く、5時ごろだっただろうか、家を出発した。
親にはいつもの放浪癖だと笑われて見送られた。

3時間ほど走り、海沿いにある住宅街のような所に出た。
とても和やかで、おじいさんやおばあさん、男の子や女の子、道行く人がみんな「おはよう!」と挨拶をするようなところだった。
車を公園に停め、デジカメとスケッチブックを持って歩きまわった。
朝早くだったけど、子供達は公園でゲームをしたり、走り回ったりしている。
夏休みといえば昔は朝から遊んで家に帰って爆睡したものだ、と懐かしく感じた。

次の瞬間、今までにないくらい胸が締め付けられるような感覚があった。
少女マンガの「キュン」という文字がぴったりだった。
落ち着かなくて、あたりを見回して、風が吹くたびに胸が締め付けられた。
またいつもの映像がフっと浮かんだ。

誰かと手を繋いで歩いている。
誰かが曲がり角で手を振っている。
誰かが何か声をかけている。
誰かと繋いだ手は汗をかいていた。
11 9 [] 2013/06/18(火) 22:50:35.36 ID:TdgMWlY20 Be:
わからなかった。
誰なのか、何なのか、何処なのか・・・。
さっきまでは暑さはあまり感じていなかったのに、今は喉が渇く、汗がにじみ出る。
水分を求めて自販機を探した。
すぐにお茶を買って一気に半分ほど飲んだ。
胸の締め付けは動悸に変わり、一瞬「死ぬんじゃないか?」と感じ本気で周りに助けを求めようと思った。
どれほど苦しそうな顔をしていたのだろうか、ふと足元に人影が見え声が聞こえた。

「大丈夫ですか?」

汗だくで顔を上げると女の子が心配そうに立っていた。
携帯電話を持って、困った顔をしている。

その瞬間、今までの動悸が嘘の様に治まった。
それよりも、その子がすごく懐かしい人のように思えて仕方がなかった。

女の子もキョトンとした顔でこっちを見ていた。
「あの、お久しぶりです?」
女の子がそう言った。
「あ、ひさし・・・ぶりです」
少しどもって答えた。

女の子はわざわざ家まで帰って母親と一緒にタオルに巻いたアイスノンを持ってきてくれた。
お母さんは看護師らしく、軽い熱中症じゃないかしら?と近くの病院へ自分の車で連れて行ってくれた。
何処の誰かもわからない若い男を自分の車で病院まで連れて行ってくれる人がこの世の中に何人いるだろう・・・。
ありがたい事だけど少し心配にもなった。

点滴を終えて会計をしていると肩を叩かれた。
あの女の子がニコニコしながら立っていた。
「お父さんが迎えに来てくれるそうですから、車のところまでお送りします」
12 9 [] 2013/06/18(火) 22:51:50.98 ID:TdgMWlY20 Be:
歩いて車まで帰るから大丈夫、と言ったが、看護服を着たお母さんがすぐに処置室から顔を出して「歩いてなんてダメだから」と言われた。

5分ほどして一台のワンボックスカーが病院の前についた。
プップッとクラクションが聞こえ、女の子が自分の手を引いて車へ連れて行ってくれた。
お父さんにご迷惑をおかけしまして・・・と言うとニコニコしながらオーバーアクションで手を振った。
「いい、いい気にしないで!この辺はみんなこんなもんだからさ」
といぶかしむ事も無く車へ乗せてくれた。

10分ほど走ると見覚えのある景色が広がった。
お父さんが「車に乗ってついておいで」と言うので素直に従った。
更に5分ほど走るとキレイな白い壁の家が見えた。
「ここうちの土地だから車停めて」
言葉に従って隣の空き地に車を停めた。
女の子が家のカギを空けて手招きしている。
見ず知らずの人に助けてもらって、挙句家にまで招かれるという状況は今まで生きてきて一度も無かったので正直困った。
自分がどうしたものかと悩んでいると、お父さんがスイカを抱えて車から降りてきた。
「女房からそうめんを食べさせてやってくれって言われてるからきなさい。大丈夫そんなにマズくないから!」
と苦笑いしながら背中を押してくれた。

家の中はクーラーが効いていて涼しく、室内犬が歓迎してくれた。
女の子がそうめんを冷蔵庫から取り出し、お父さんはスイカを切っていた。
オレはテーブルに座っているように促され、足にじゃれ付く犬と二人の様子を眺めていた。

そうめんはコシがあって冷たく、めんつゆの塩分が身体に染み渡った。
お父さんはなぜここに来たのか、学生?どこの学校?お酒飲める?と質問を繰り返した。
自分はひとつひとつに丁寧に答え、女の子はニコニコしながら話を聞いていた。
お父さんはいつの間にかビールを飲んでいて、女の子はお母さんにまた怒られるよ!と笑っていた。
13 9 [] 2013/06/18(火) 22:52:55.96 ID:TdgMWlY20 Be:
「今晩はどうするの?もう帰る?」
2本目のビールを出しながらそう聞いてきた。
「流石に3時間運転して帰る自信が無いので、さっきの公園で車を停めて寝ようと思います」と言った。
すると女の子が「夜も暑いんでまた具合が悪くなりますよ?」と言う。
お父さんも頷いてビールを飲んでいた。
「だったら客間が開いてるから泊まりなさい。一応ご両親にもここの住所と連絡先を伝えておいてね」と言い出した。
ココまで来ると『優しさ』を通り越して怖かった。
何かあるんじゃないか?壷でも買わされるのかな?でも家にここの連絡先を言っておけって言ってたし・・・と頭の中でグルグルと考えが渦になって回った。
普通に考えれば断るべきだった。
けどそんなことよりも人に優しくされたうれしさや、女の子に感じた懐かしさが袖を引いた。

携帯で親に連絡を入れると驚いていた。
お父さんに電話を代わってもらい、母親とお父さんが「いやいや大したことでは!」「いえいえ申し訳ありません!」と交互に言うのを見ていた。
その日はそのまま客間に泊めてもらえる事になった。

車へ荷物を取りに行くと、すぐに玄関からお父さんが顔を出して慌てた感じで言った。
「ごめん、泊まるとなると晩飯が無いから買い物を頼みたいんだけどオレ酒飲んじゃったから娘とスーパーまで行ってきてくれない?」
女の子は「自転車で行くから」と言っていたが、結構な量を買わなくてはいけないらしい。
すぐに車のエンジンをかけ「一緒に行こう」と誘った。
女の子は笑ってお邪魔します、と助手席に座った。

車に乗せるまで、女の子とはほとんど話をしなかった。
あまりおしゃべりではなく、ニコニコと笑っている子だった。
「いきなりこんな見ず知らずの男が家に泊まっても大丈夫かな?」と聞くと笑って首を振った。
「見ず知らずじゃないですよ」
あれ?どこかで会っていたのだろうか?
そういえば最初にあったときに懐かしい感じがしたし、この子も「お久しぶりです」と言っていた気がする。
でも記憶にない、3時間も離れたら会うことなんて奇跡に近い・・・。
14 9 [] 2013/06/18(火) 22:53:30.22 ID:TdgMWlY20 Be:
「あの・・・ごめん、何処かで会った事あったっけ?」
「いえ・・・わかりません」

まるでチープなナンパだと思った。
明らかに初対面で名前も知らないのに「会った事ある?」と言うのはとても恥ずかしい。
けれどそんな気がしていた。
どこかで会っていた様な気がしていた。
「そういえば名前お互いに知りませんでしたね、僕はアキって言います。キミは?」
「エリです、○○エリと言います。お父さんは○○でお母さんは○○ですよ」
全員の名前を聞いてもお互いにまったく覚えがない。
だけど不思議な事になんだか昔から知っているような気がしていた。

買い物を終えて彼女の自宅へ戻った。
すでに客間の準備がされていて、荷物を運び込ませてもらった。
18時ごろお母さんが帰ってきた。
お父さんがすでに事情を話していたようで、仕事で疲れているだろうにテキパキとご飯の準備を始めた。
彼女も慣れた手つきで手伝いをしている。
その間自分はお父さんと色々と話しをしていた。
お酒が好きだとは聞いていたけど、深酒もせず、お母さんが帰ってからは一切飲んでいなかった。
これが正しいお酒の飲み方なんだろうな、と感心した。

夕食を終え、お風呂をいただき、客間へ入らせてもらったのが22時ごろだった。
明日は朝すぐに片付けをして出ようと思っていたのでそろそろ布団に入ろうかな、思っていた。
すると不意にドアをノックする音が聞こえた。
「私です」と彼女の声がしたので「あ、はい!」と素っ頓狂な声を上げた。
それから他愛のない話をした。
彼女はまだ高校3年生であること、趣味、欲しい本やCDの事、色々と話した。

音楽の趣味は恐ろしいほどあっていた。
本の趣味はお互いに知らないことも多かった。
学校では友達はみんな体育系なので中々本や音楽の話で盛り上がれないのだという。
15 9 [] 2013/06/18(火) 22:54:14.78 ID:TdgMWlY20 Be:
結局1時ごろまでおしゃべりに夢中になってしまい、彼女がうとうとし始めたのでお開きになった。

翌朝、見事に寝坊してしまい、お母さんのご飯できたよ!という声で起こされた。
彼女はもう着替えてテーブルに座っていた。
お父さんはまだ寝ているようだった。。

朝食を終える頃にお父さんが起きてきた。
お母さんが仕事に行くから、と言うとお父さんはアクビをしながら手を振っていた。
お父さんが食べ終わった食器を片付けさせてもらうと「お、すまんね」なんて言っていた。
それからすぐに「今日はもう帰るの?今晩一緒にお酒飲まないか?」と言われた。
「流石に2日もお世話になるのは・・・」「いいからさ、一緒に飲もうよ!」「いえ、流石に・・・娘さんもお母さんもやはり女性ですから・・・」「大丈夫大丈夫!明日は女房も休みだからみんなで今晩バーベキューでもしよう!」
そんな押し問答を彼女はニコニコしながら見ていた。
結局その日、昼に帰ってきていたお母さんとお父さんの説得に負け、もう1泊させてもらう事になった。

バーベーキューは素晴らしくおいしかった。
お母さんもお酒が好きでよく同僚を呼んでバーベキューをするらしい。
彼女も慣れたもので、庭の隅にある倉庫からバーベキュー台を引っ張り出していた。

自分はそれほどアルコールに強くないので、全部が終わってお父さんとお母さんが部屋で飲みなおしているときに車のそばで座って夜空を眺めていた。
しばらくすると玄関が開き、彼女が顔を出した。
隣に座るとまた他愛のない会話をした。

酔いもあってか、自分ははじめて会ったときのことを話した。
昔から南が好きだった事、大人になって急に映像が見えるようになったこと、病院でも異常が無く内心不安だった事、そして誰かの手を握っていた事。
彼女は頷いていた。

蒸し暑い夜で、汗が首を伝った。

自分はいつの間にか涙を流していた。
彼女はびっくりして手を握ってくれた。
自分自身、なぜ涙が出ているのかもわからなかった。
何の脈絡も無く、悲しい事など何も無いのに・・・。
16 9 [] 2013/06/18(火) 22:54:48.55 ID:TdgMWlY20 Be:
しばらく沈黙が続いた。
そろそろ家に入らなきゃ、と彼女を手を握ったまま立たせたとき、映像が見えた。

どこかの街、住宅街、田んぼや古い和風の家、そして手を握っている自分と、相手の顔・・・。


次の日、何度も頭を下げてお礼を言った。
またちゃんとした御礼を持って伺います、と言うとお父さんが「お酒がいいな!キミの好きな奴飲もう」と言ってくれた。
お母さんは苦笑いしながら「気にしなくていいから、またおいでなさい。身体には気をつけて」と心配までしてくれた。
彼女はニコニコしながら手紙を渡してくれた。
「連絡先を書いておきました、また色々お話聞かせてください」と手を握ってくれた。
自分は何度も車から手を出して振った。
彼女もずっと手を振ってくれていた。


それ以来パタリと映像は見なくなった。
胸が締め付けられる事も極端な方角好きも無くなり、今では南向きの窓があればそれだけでいいと思えるようになった。

結局、頭に流れる映像や切なさ、懐かしさ、南という方角に対する異常な執着は彼女と出会うためにあったのかもしれないと今では思っている。

長くなってしまったけど、これが子供の頃から悩んでいた不可思議な現象の終わりだった。

神出鬼没お姉さん

940 本当にあった怖い名無し [sage] 2013/06/14(金) 01:18:46.09 ID:kUOJo1s10 Be:
小学生のとき神出鬼没なお姉さんがいた。
高校生か大学生だったと思う。
そのお姉さんは小学生にしか見えなくて、
たまに姿を見せて「○○ちゃん、こんにちは」って挨拶してくる。
教えた覚えもないのに名前を知ってる。
俺が会ったのは二回だけ。

友達間では気味の悪い人だったけど
親や先生は見かけたことがないって言ってたな。
俺も小学校卒業したら見なくなった。

あのお姉さんはなんだったんだろ。
挨拶するだけで別に悪さしてたわけじゃないし。

ボール拾い

934 本当にあった怖い名無し [sage] 2013/06/13(木) 19:41:39.85 ID:jxEemgnR0 Be:
中学1年生の頃の話

当時私はバレーボール部に所属してたんだけど
練習試合の時1年生は出してもらえずボール拾いをしなくちゃいけない
で、コートの周りで待機してたんだけど実際ボールってそんなに飛んでこないんだよね
それで「暇だなー」ってボーっとしてたら突然

「○○ちゃん」←(私の名前)

って中年くらいの男性の声が聞こえた
(耳から聞こえるというより、脳内に響く感じだった)

びっくりして周りを見ても誰もいない、不思議に思っていると
すごい勢いで顔面にボールが飛んできた

なんとか当たる前にキャッチできたんだけど
もしあの声が聞こえなかったらボーっとしたまま顔面キャッチしてたと思う

きっとあの声の主が助けてくれたんだと今でも思ってる

違和感のキシミ

902 本当にあった怖い名無し [sage] 2013/06/10(月) 16:48:11.46 ID:GttO+Ucj0 Be:
昼間、仕事場から帰り休憩・・・1階でパキッパキッと家鳴りがする。
もしくは、廊下を誰かが歩いているような違和感のキシミ。

愛犬が亡くなりしばらく、玄関ホールで犬が廊下を滑りながら走るシャカシャカ音。
(玄関に上がるといつも、喜んで走り回っていた)あの音。
903 本当にあった怖い名無し [sage] 2013/06/10(月) 16:56:01.95 ID:ng90cShZ0 Be:
>>902
49日までは行き先決まるまで現世にいることもあるっていうから
それでない?
自分見えないから本当のところはわからんけど

ただの廊下なのに

900 本当にあった怖い名無し [] 2013/06/10(月) 16:26:42.70 ID:ZBU1+nkm0 Be:
何もないただの廊下なのに何気なくそこを通ると
必ずと言っていいほどつまづく場所がある
そんなに気にしてなかったけど昨日読んだブログで同じような経験をしてる人がいた
一体原因はなんなんだか・・・・
そこだけ床が傾いてるわけじゃなさそうだし
廊下の通り方もそのときによっていろいろ
オカルトっぽい逸話とかとも無縁そうな郊外の新しい学校です
転ぶわけじゃないので困ってるわけではないです
901 900 [] 2013/06/10(月) 16:36:04.79 ID:ZBU1+nkm0 Be:
この記事と似てた
http://pdg.seesaa.net/article/365779621.html
たしかに地味なはなしだなぁ・・・

消えた霊柩車

851 本当にあった怖い名無し [] 2013/06/03(月) 19:06:19.79 ID:sD2TEXha0 Be:
一昨日の早朝(5時くらい)の話なんだが
寝付けなくて近所をぶらぶら散歩してたんだ
んで大きめのマンションの前を通りかかった時、前から霊柩車が徐行してやってきて
通りかかったマンションのガレージに丁度目の前を突っ切るかたちで入っていった
親指隠しながら朝っぱらからなんだかなーって思い、ふとガレージを横目で覗いたらその霊柩車が消えていた
シャッターがあるガレージだったからそんな1、2秒で見えない所へ車を停めるなん
て、不可能なはずなんだけどな。不思議なこともあるもんだね

二千円札体質

839 本当にあった怖い名無し [sage] 2013/06/03(月) 00:18:23.57 ID:aHBlZCdcO Be:
2年くらい前にバイトしてた店のレジで
やたらと二千円札を引き寄せる奴がいた
田舎と言えどもデパートだからレジの回転率は結構な物で
セールの日なんかはレジに行列ができても
二千円札なんか滅多に見かけなかったのに
そいつがレジに入るようになってからやたらと二千円札が来るようになった
聞けばそいつ自身もすでにそれを把握しているらしく
前のバイトでも普段買い物してても二千円札と遭遇する割合が高いそうだ
あのバイトやめて以来二千円札拝んでなかったけど今日たまたま目にしたので思い出した
奴はまだ二千円札を寄せる体質なんだろうか

机の下の住民

827 1 [sage] 2013/06/02(日) 05:36:11.73 ID:yAj3UCGzP Be:
二年前に体験した、怖くないけど不思議な話です。

私は事務職で殆ど椅子に座って仕事をしているのですが、座っているとつい足を組んでしまう癖があります。
ある時、いつものように足を組むと、何かがちょいちょいと爪先に触れました。
私は何故か何の迷いもなくそれを猫だと思い、爪先をブラブラさせて構ってみました。
するとその何かはテシテシと遊んできたので、微笑ましく思いながら暫く爪先を揺らしていました。
勿論会社に猫が居るはずもなく、後で机の下を覗いてみてもコードなど足に触れそうなものは何もありません。
でも別段怖いわけでもなかったし、放置することにしました。
828 2 [sage] 2013/06/02(日) 05:49:50.07 ID:yAj3UCGzP Be:
その後も私が椅子に座って足を組むと、何かが爪先にじゃれてきました。
エアー猫構いは一ヶ月くらいは続いていたと思います。
たまに肉球らしきものがパンプスに覆われていない足の甲に触れることもあったので、多分猫だったのだと思います。

ある日、少し遅い昼食から戻って足を組むと、
机の下の何かが私の足を引っ掻いたようで、驚いて足を引っ込めました。
足を見てみれば、踝のあたりからストッキングが電線してミミズ腫れのようになっていました。
いつもなら足元は見えないですし就業まで放置するのですが、間が悪いと言うか、
その日は来客予定だったので、仕方なく更衣室に行くことにしました。
829 3 [sage] 2013/06/02(日) 05:57:56.90 ID:yAj3UCGzP Be:
私が更衣室につくほんの少し前、エレベーターを降りた直後に大きな揺れが来ました。
東日本大震災でした。
私の席の上の蛍光灯が落ちて割れたり、後ろの棚が倒れてきてたり、
私の部署で一番被害が大きかったのは私の席周辺だったようだと隣の席の同僚から後で聞き、
もしあの時机の下の何かが私の足を引っ掻かなかったら…と思うと、後からとても怖くなりました。
830 終わり [sage] 2013/06/02(日) 06:03:32.29 ID:yAj3UCGzP Be:
これ自体も不思議だなーと思ったのですが、
私は家族に喘息持ちがいて動物とはほとんど関わった事がないのに、なんで猫らしきものが助けてくれたんだろう?と、それが一番の謎でした。

今日久しぶりに隣の席だった同僚と会うので、ふと思い出してカキコでした。