廃墟探索

913 本当にあった怖い名無し [sage] 2011/07/02(土) 14:29:47.49 ID:7NhvvfTaO Be:
小学生の時、近所の廃墟を探索することが流行になったことがある
いつも男子3名・女子2名の悪ガキ仲間で行動してた
田舎だからその辺にあるボロ小屋はだいたい農家の用具入れだったりして、あんまり面白みは無かったんだけどね

隣の村まで足を運んだりして全部で20軒くらいに侵入した
そのうち2回だけ後から考えるに妙だと思う体験をした

その1.エロハウス
小学校の近くに倒壊寸前って感じのプレハブ小屋があった
何があったのか知らんが小屋自体が道下の畑にずり落ちてて、一見2階部分が1階に見える
1階の元玄関であっただろう引戸はひしゃげててびくともしない
2階部分の窓ガラス割るのは本当の不良のようで小心者の私たちには出来ず、そこの探索は半ば諦めていた
でもある日男子が1階の草を払ったところギリギリ通れそうなすき間を発見した
恐らく元々窓であった部分だろうと思う
体格のデカいやつらは通れなかったため、女子2名と小柄の男子1名だけで侵入
914 本当にあった怖い名無し [sage] 2011/07/02(土) 14:31:14.25 ID:7NhvvfTaO Be:
小屋の1階中心部へ行ったところ中央にはテーブルがあり、コップと元食品っぽい黒い何かが置いてあった
食品パックに書いてある賞味期限は昭和のものだった(私たちは平成生まれ)
そして周りにはエロ本とエロビデオが散乱
両手一杯に抱えて外の男子2名に渡すと大興奮
それ以来数日間はここに通いつめるようになった
ある日いつも通りにエロハウスへ向かっていたところ2階部分の窓ガラスの向こうでなんかチラチラ動いているのが見えた
猫でも迷いこんだかと皆で寄って行くといきなり窓がガラッと開いた
中にはタンクトップを来たおっさんがいてこっちを睨みながらおらあっ!と怒鳴ってきた
エロ本の持ち主だと察知した私たちは死に物狂いで逃げた
走ってる時後ろを振り返ると追いかけてきてはいないがこちらを睨んでいるのが分かった

後日エロ本を箱に積めて2階の窓から返そうとしたところ当然鍵がかかっていて開かない
そのまま諦めて帰り、その場所にはあまり近寄らないようになった

2か月後くらいに一度だけ様子を見に行ったらエロ本は風雨に曝され朽ちていたため、男子がものすごく悔しがっていたのを思い出す
でも今にして思うんだけれど、あのおっさんはどこから出入りしていたんだろう
915 本当にあった怖い名無し [sage] 2011/07/02(土) 14:35:02.20 ID:7NhvvfTaO Be:
その2.ゴジラ温泉
ほとんど隣町に近い村のはずれに元温泉宿だった廃墟があった
看板に「ラドンの湯」と書かれていたため男子の一人が「ゴジラ温泉」と命名した
ゴジラに出てくる怪獣に同名のものがいるらしい
浴室側の大きな窓が片側だけ割れていため、そこから鍵を開けて侵入
地面から浴室の窓へは少し高さ(小学生にとっての)があるため自転車を重ねて足場にした
中は普通の民家に広めの浴室を2つ付けたような感じで家財道具が置きっ放しになっていた
全部で6~7室くらいあったので一番広い部屋から見て行くことにした
部屋には布団等をしまう押し入れがあり、布団の横に深めの段ボール箱があった
中にはファミコンのカセットやらアイドル雑誌やらが入っていた
ゲーム好きの男子は興味を示したけれど彼らはプレステしか持っていないためカセットのプレイは出来ない
ファミコンを持っているような級友もいなかったため雑誌だけ持ち帰ることにした
暗くなってきていたので残りの部屋の探索は翌日に持ち越しになった
(ちなみに先のエロハウスで懲りていたため、廃墟から借りた物は翌日返しに行く決まりが自然と出来ていた)
916 本当にあった怖い名無し [sage] 2011/07/02(土) 14:36:43.17 ID:7NhvvfTaO Be:
翌日、廃墟前で雑誌をぱらぱらと読んでから元あった部屋へ向かおうとした
昨日の通りに浴室から男子3名が先に入り、続いて女子その1が足を踏み入れた
すると女子その1が「ねえ!」と何かに気付いたような声を上げた
続いて男子が「えー昨日もあったよ」「あんま見てなかった」と騒ぎ出す
中に何かあったかと足場に乗って覗きこむと浴槽の中に未開栓の瓶コーラが5本置いてあった
お風呂の廃墟なんて珍しいから昨日は侵入直後、よく眺め倒したはずだし浴槽のグラデーション塗装を珍しいと思ったことも覚えている
その時はそんなものは無かった
そしていくら田舎とはいえ平成のいま、瓶のコーラなんてのも映画でしか見たことがなかった
怖がる女子1と怖くて入れない私とを置いて男子はとりあえずで雑誌を部屋に返しに行った
女子1と外で待っていると戻ってきた男子が中から声をかけてきた
コーラを手渡すからキャッチしろという
お腹壊すから飲まない方が良いと諭すとじゃあ俺らだけで1本だけ飲むから、と説得される
仕方なく上から渡されるコーラを背伸びして受け取った
なんだかヒンヤリしていた
室内とはいえ夏の暑い日だからそこまで冷えてるはずはないのに
917 本当にあった怖い名無し [sage] 2011/07/02(土) 14:40:43.49 ID:7NhvvfTaO Be:
怖がってここから逃げ出したい女子とどこかで栓抜きを借りたい男子との話し合いの結果
廃墟から一番近い級友のお宅へ皆でお邪魔することにした
開けたコーラを男子3名+何も知らない級友1名で飲んだ
缶のより美味しいと騒ぐ男子につられ私も一口飲んだ
普通にコーラだった
女子はその後級友の家で遊び、男子は瓶を返しにと残りの部屋探索をで戻って行った
何ともなかったらしい

でも当時も怖がっていたように突然人数分のコーラが現われるなんてどう考えてもおかしいんだよね
人の仕業っていうのはあの場所の人気の無さから考えづらいし
幽霊とかの仕業だったのかもしれないけれど、コーラだけ出して祟らないのも妙だし
もしかしたら男子の余りの馬鹿さに呆れてあれ以上何もしなかったのかもしれないけど

以上
長いのに一気に書き込んで申し訳ない

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