- 中学時代の話。
職業体験の事前授業みたいなので、いろんな職業が体験できる施設に行った。
事前に希望を出した職業の体験をした後、施設内を自由に見て回る時間があった。
体験した職業以外にも伝統産業やらなんやらの、いろんなものを見て回ってたんだが、当時友達がいなかった私は一人で回るつもりだった。
そこに、突然声をかけてきた人がいた。
- 多分同級生の女子生徒。
私は彼女のことを全く知らなかったんだが、彼女は私の事を知っていた。
当時厨二真っ盛りでいろいろと奇行を繰り返してた私は、校内で変人として有名になってしまっていて、特にそれを気にすることもなかった。
親しく話しかけてくる彼女に適当に答えつつ、彼女と一緒にいろいろ見て回った。
- 紙漉きやら織物が体験できるコーナーでは、そこで作られたはがきやしおりを彼女とお揃いでもらったりして、それなりに楽しく過ごした。
ある程度見て回ったころ集合時間が来て、慌てて集合場所に向かう途中、彼女とははぐれてしまった。
で、ここからが変な話。
彼女は集合場所にいなかった。その後、学校でもみることはなかった。
- その頃転校したのか、程度にしか思っていなかったんだが、よく考えるとなんかおかしい。
普通、話したこともない人間に、転校直前にはなしかけるだろうか。友達と回るのが一番楽しいだろうイベントに、わざわざ親しくもない人間と行動するだろうか。
- 当然その施設には他の学校の生徒もいたが、彼女は私と同じ制服を着ていたし、何より私の事を知っていたから、まさか別の学校の生徒という事もないと思う。
もしかしたら脳内友達とやらを幻覚で見てしまったのかもしれないが、それにしたってそんなに急に消えるだろうか。
この間、その時貰ったしおりを見つけてからずっと、このことが気になっている。
ぶつ切りごめんなさい。