- 大学卒業の春、私は大学近くに就職を決めたが、大家の手違いでアパート内で引っ越しをするはめに。
それまで2階の一番端の部屋だったが、2階の真ん中の部屋に移った。
アパートはU字に流れる小さな川(水路?)に囲まれる土地に建っていた。
続く
- 部屋は1DK。玄関・台所(バストイレ)・寝室・ベランダが一直線に並んでいる造り。ベランダの前は川。
しばらくして(初夏だったと思う)パジャマを着て仰向けに寝ていたら、背中側の襟から左肩袖にかけて、なにかの物体が入りこんで、
物体の動きに合わせて、左肩襟がピクッピクッと引っ張られるのがわかった。
怖くて目が開けられなかった。
そしたら、男の声で「念じろ念じろ」という言葉が頭に響いた。
続く。
- その言葉にうながされるように必死に念じた。
ちょうど新聞配達が玄関のドアに新聞を入れるガタンという音がした途端、急に気配が消えた。
肩も軽くなり、目を開けるとすっかり明るくなった室内。
その後、知人のアドバイスで、ベランダと玄関横の窓に置き塩をした。
あの男の声はそれより2年前に亡くなった祖父だったのではないかといまでは思う…
そのアパートは翌年夏に引っ越しました。
終わり。