- 幼い頃、よく週末に父に連れて行ってもらった公園があった
少し遠めで一人では行けなかったんだが、たこの形の滑り台があってお気に入りだった
ある週末、出張かなにかで父がいないときがあった
「何回か行ったしもう場所は覚えただろう」と思った俺は、母と弟もつれてその公園へ行こうとした
しかし、どうしてもその公園にたどりつけない
結局あきらめて家に帰った
父のいる時にもう一度家族みんなでその公園へ行った
「あぁ、曲がる場所を間違えたんだな」とか話しながら歩いたのを覚えてる
- 最近こんな他愛もないことを思い出し、こんなことあったね、って家族と話したんだが
覚えてないんだ、誰一人
まだ1歳くらいだった弟はともかく、母も、
何度も一緒に公園に行った父さえその公園自体知らないという
俺は公園の名前も覚えていたから、ネットで調べたら出てきた
写真もあって確かにこの公園だと覚えている
だが場所がおかしい
明らかに当時の家(今はもう引っ越した)から歩いて行ける距離ではないのだ
父と歩いて行ったはずなのに
ただ公園の名前も写真も記憶と一致しているし、歩いて行ける距離ではないとはいえそれなりに近い
俺のこの記憶はなんなんだろう、とただ不思議だ