ふぁい君

375 :本当にあった怖い名無し:2011/02/03(木) 11:27:30 ID:ZsmfeE580
 個人的に怖かった話。
 長文失礼します。

 1年ほど前の秋、2・3ヶ月ほど、ふぁい君と呼ばれた子が職場に出入りしていた。
 『ふぁい』と返事するから。おやつタイム頃になると来て、一緒に食べ、会話していった。
 職場の関係者でもなく、バイトと言うわけでもない。
 本人は定時制高校に通っていると言っていた。 中学は養護だったらしい。知能レベルは小中学生。
 いつも自転車で、カゴにはスケッチブック。裏表紙に○○市○○町と名前がしっかりした字で書かれていた。
 両親はこの辺りでは繁華街の町で、喫茶店をしているらしい。
 冬になって、雪も降ってきたので来なくなったのだろうと思っていた。

 去年の年末。買物に行った時、ふと彼の事を思い出し、両親の喫茶店を探したが見つからなかった。
 町の名前か、店の名前を間違えて言っていたのだろうと思い、目に留まった喫茶店に入った。
 その店は、レトロな雰囲気で、壁の一面はコルクボード。そこに、地方回りをしている芸能人の写真やサイン色紙等飾ってあった。
 何とはなしに眺めていると、あのふぁい君を見つけた。50代くらいの優しそうな両親らしい2人と一緒に並んで写っている。場所は見覚えのあるこの辺りの通り。

 店のマスターに聞くと、2・3軒隣にあった喫茶店のマスターと家族だと言った。
 ただし、その店はもうなく、マスター夫婦は高齢のため店を閉め、今は老人ホームに入っているらしい。
 マスターの昔の住所も○○町で間違いないそうだ。

 整理すると、彼は誰??

 ここ2・3日前のことだが、車の中から、小雪が降っているのに、自転車に乗っているふぁい君を見た。カゴにはいつものスケッチブック。
 見間違いだと思うんだけど。

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