山道に血だらけの人

646 :本当にあった怖い名無し[sage]:2009/10/18(日) 19:51:35 ID:d7hG6lDlO
小学校低学年の時だったと思う。

祖父母の家に向かう道中、対向車もない田舎の山道を走っていた時の事。


ふと父が運転する車が止まった。
確か、父と母が慌てて外に出て、ティッシュやらタオルやらを探しはじめた。
何かと思い、開いたドアからそっと外を見てみた。


何故か、人気のない、昼の山道に、血だらけの人がいた。

倒れているわけではなく意識はあるのだろうが、子供心に凄く怖くて、見てはいけないものを見た気分。


その後、どんな対応をしてどうなったのか、なんだったのかはわからない。
でも、十数年たった今でも覚えてる。

物心ついて、たまーにふと思い出すときはあったが、昔の記憶なので特に恐怖感もなく、深く考えることもなかった。
が、去年ふと気になって、母にあれは何だったのか聞いてみた。
父にも聞いてみた。

すると二人は、私が夢でも見たのだろうと笑うと「そんな事はなかったよ」と言った。
父も母も大人だ。
日々の暮らしの中で、恐怖や驚きを感じることも多いだろう。
それにいい歳なので忘れていても不思議じゃない。
でも私は確かに覚えてる。あの時感じた感覚、今の歳なら表現できる、胸がざわつく感覚と、白いシャツに着いた血の赤を。

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