- 10歳くらいのことだったか、サンタを信じていた純粋な子どもの頃の話。
クリスマスの夜はちゃんとサンタさんが来て、
朝にはプレゼントを置いていく。
幼児の頃には枕元だったが、さすがにもう大きいので、
目を覚まさないよう子ども部屋のドアの前がプレゼントの位置だった。
その日、自分は妹と二人で布団を被りながら、
「もうしばらく起きてようぜw」なんて言って、
馬鹿な話をしながらサンタを待っていた。
深夜二時ころだった。
さすがに起き過ぎた、寝てしまおうと思ったその時だった。
とつぜん子ども部屋のドアノブが
「ガチャガチャガチャガチャ!!ガチャガチャガチャガチャ!」
と乱暴に回された。
驚きのあまり固まってしまい、声も出ない自分と妹。
「ガチャガチャガチャガチャ!!ガチャガチャガチャガチャ!」
その間にもドアノブは回され続けている。
ふと、音が止んだ。
妹と二人、呆然としてシーンと静まり返ったドアの向こうを窺う。
恐る恐るドアを開けると、プレゼントがあった。
- 最初は怖がらせたがりの父親のイタズラかと思ったが、
両親2人分ののいびきは廊下を挟んで少し離れた向かいの部屋からずっと聞えていた。
また、子ども部屋までの廊下がこれまたよく軋むんだ。
大人の体重で足音を立てずに歩くことは難しいと思う。
次に、当時飼っていたネコが賢くて、ドアノブを回して部屋に入るヤツだったので、
部屋に入ろうとしたネコの仕業とも考えたんだが、
あの乱暴なドアノブの回し方は絶対にネコの仕業じゃない。
もちろん置いてあったプレゼントの中身は、
両親がサンタとしてプレゼントしてくれたもので、それは間違いのない事実。
だが、あの時ドアの向こうにいたのが何だったのか、何度考えても分からない。
あの当時、ネコにドアを開けられないよう、寝る前に物でドアを塞いで寝ていた。
妹は「ドア、塞いでたから、アレは入ってこれなかったんだよw」と言ったが、
塞いでいなかったら、ドアの向こうにいた何かは入って来たのだろうか?