F先輩

233 :他スレから[sage]:2009/07/26(日) 18:10:05 ID:HLOutiQg0
313 名前:本当にあった怖い名無し[sage] 投稿日:2009/07/25(土) 23:32:34 ID:BM1ALL6T0
 大学のときの先輩(女の人)ですごい人がいたなぁ。
 シリーズどころか、ひとつしかエピソード知らないけど。

 自分の友人(男)も霊感がある。思念の存在している場所が感覚でわかるらしい。
 「ほかに、誰が霊感強い?」と聞いたら、開口一番「F先輩はすごいね」。
 彼に言わせれば「いるな」とわかる程度のレベルではないそうだ。
 「霊が見えるんですか?」と本人に聞いてみたら、いっつもにこにこしているF先輩が、口調も顔も変えず
 「いやーあんなの気にしてたら生活できないですよ」と、さらっと答えた。

 マジビビッタ。

 当時、ひとり暮らしだったF先輩のエピソード。
 ある日、夜中の一時に、友人が来る用事があったそうだ。試験対策用のノートを取りにくるとか何とか。
 で、起きてた。のに気づいたら

 二段ベッドの上で寝ていた。

 そんなところで寝た記憶はない。というより、上の段で横になることはない。
 ベッドを持ちこんだはいいが、天井が近すぎて圧迫感があったかららしい。
 目ざまし時計は壊れてた。ひっきりなしに針がぐるぐると回っている。
 部屋で唯一の時計だったので、そのときの時間はわからなかった。
(十五年くらい前の話で、当時携帯はほとんど普及してなかった)。

 不思議なのは寝方だった。左腕をまっすぐ垂直に上げていた。
 で、薬指の根元――手の甲の側に、きれいな正三角形の傷痕があって、血がつうつう滴り落ちてた。
 血はなかなか止まらなかったそうだ。結局その日、友人が来ることはなかった。

 F先輩とボウリングで会ったとき、「左手の包帯どしたんですか?」と聞いたら、この話をしてくれた。
 いつも通りのにこにこした顔と口調で。

 世の中にはマジもんがいるんだ、と信じるようになったのは、F先輩のおかげ。

関連エピソード: