百合の花

665 :本当にあった怖い名無し[sage]:2010/12/30(木) 20:34:11 ID:/7HKv4E1O
まだ保育園に行っていた頃の事なんだけど、
物凄く内向的な性格で、いつも特定の子に叩かれたりして虐められていた。
辛くて親に言うんだけど、親も忙しくて構ってくれなかった。

で、ある日の夜中目が覚めて窓辺に行って外をぼーっと見ていた。
月を隠していた雲が風でさぁっと消えて
暫くして、蕾だった百合の花がぱぁって咲いて
中から、リカちゃん人形くらいの人が出てきた。

私は人見知りが激しかったから、
いつも本ばかり読んでいたから、その時も
「なんか、親指姫みたいだな」と思った。
そのリカちゃんサイズの人は女性で、めちゃくちゃ綺麗だった。

666 :本当にあった怖い名無し[sage]:2010/12/30(木) 20:40:31 ID:/7HKv4E1O
で、ぼーっと見てると
その人が、ふわりと浮きながら、
私の居る窓まで来て
コツコツとノックしてきた。
そこで、初めてびっくりしたけど、
だって全裸。
更に驚いたことに喋った。
「寒いから、服貸してくれない?」
だって。
いつも一人遊びで使っていたリカちゃん人形の服をありったけ持ってきてみせると
サイズもぴったりだったみたいで、少し喜んでいた。
その日はそこまでで、気が付いたら、朝だった。窓に寄りかかるようにして寝ていた私の周りにはリカちゃん人形の服が散らかっていた。

667 :本当にあった怖い名無し[sage]:2010/12/30(木) 20:47:07 ID:/7HKv4E1O
その服を貸してあげたリカちゃんは
よく分からない存在ながらも人間の心理に詳しかったようで
虐められたことを話すと、とても効果的な対処法を教えてくれたり、
お守りをくれたりした。そのお守りがあると、あがり症の私だけど
お遊戯会で上手に歌えたし、
合唱コンクールでも平気だった。
色んな事をこれからも教えて貰えると思ったのに、
「いつまでも私が居たらダメよね。
いつだって助けてあげたいけど、いつもいつまでも一緒には居られないから」と言った日を最後に会えなくなった。
でも、今でも本当に困ったとき、
あの人の周りに漂っていた百合の匂いを嗅ぐことがある。
長文失礼しました。
686 :665[sage]:2010/12/31(金) 12:17:07 ID:pIB2I1VQO
>>680
最初は、いじめっ子が私に接触しないように
先生の近くにいるよう言われました。
で、今まではオドオドしてすれ違うときとか目を逸らしたり不自然なくらいに見ないようにしていましたが、
「○○ちゃん(私です)は悪くない。
そういう子は野生動物のようなものだから、すれ違う時に目を逸らしたりしてはダメ」
と言われ
段階を設けて徐々に課題を与えてくれる感じでした。
因みに、貸した服は数年後きれいに畳んだ状態で出会った窓付近に置いてありました。
近くに金平糖のようなものもあり、食べたら凄く美味しかったです。

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