時空のおっさん

423 :本当にあった怖い名無し[sage]:2010/12/20(月) 13:44:20 ID:lO7JCcSy0
まとめサイトとか読んでたぶん幼少の記憶が時空のおっさんだと思ったんで書き込みます。
小二か小三の頃、今ぐらいの寒い季節、学校のない日曜日に親父の手伝いに自分ち所有の山に行った。
実家の稼業は林業で、先祖代々所有してる二つくらいの山で親父が植林したり間伐したりするのを手伝ってた。
その日は枝打ちっていう作業で、15年くらいの若い木の余分な枝を鉈で切り取るってものだった。
「一本の木の枝打ち(枝15~20本くらい)ごとに50円」が親父が出した条件だったんで、遊ぶ金欲しさに夢中でやった。


そしてここからなんだが、しばらくそれに熱中してその作業を続けているうちに、周りの様子がおかしいことに気付いた。
まず、少し下の斜面で仕事をしていたはずの親父の姿が見えない。 その上、15年くらいの若い木の区域で
作業していたにも関わらず、周りの木が50~60年くらいの年輪はあろうかという太い木ばかりになっていた。

本能的に「おかしい」と思った俺はでかい声で親父を呼ぶと共に、回りを探し回った。
体感で15分くらい?しかし声を呼んでも鬱蒼とした森からは返ってくる声はなく、もちろん親父も見つからなかった。

ガキなりの直感で、やべぇ所に来てしまったな、とか帰れずにこのまま死ぬのかな、とかをベソかきながら思ってたら
急に森が開けた。そこは開けた一面のすすきか何かの原っぱで、10mくらい先に山小屋が見えた。
幼稚園の頃からそこら辺の山に行ってたのに初めて見る場所で、不思議に思ったが
そこに何故か悪い感じを覚えなかった俺は、まっすぐ歩いてその小屋に入った。

続きます。

424 :本当にあった怖い名無し[sage]:2010/12/20(月) 13:45:20 ID:lO7JCcSy0
その中に変なおっさんがいた。鮮明な記憶だけど、「毛むくじゃら」って表現が似合うヒゲ面で、髪も伸び放題でぼさぼさだった。
服は山の男って感じの汚いネルシャツ?に猟師さんが着るようなオレンジのジャケットを羽織ってたかな。

んでそのおっさんは、ドアを開けた俺を見るなり大笑いした。いつの間にか泣き止んでた俺がキョトンとしてると
「ハハハハ!お前○○(俺の名字)んとこの子やろ?いつも世話しとるけぇ、わかっとったわ!」って言った。

ここでその山小屋の記憶は途切れてて、気が付くと元いた現場近くの林道にいた。
すぐ近くに親父を見つけたので走り寄ったらすごい剣幕で「どこ行ってたんだ!」と叱られた。
親父によると急に俺がいなくなってて、2時間くらいずっと近辺を探していたのだそう。このまま見つからなければ警察と
集落の人に頼んで山狩りをしようと思ってたとこだったらしい。俺は体験したことを言うのがなんか憚られて、
野グソしにけっこう奥の方まで行ったら迷ったって言い訳した。 


以上、15年以上前の話だけど不可思議過ぎてよく覚えてる話でした。これ時空のおっさんですかね

関連エピソード: