- 596 :本当にあった怖い名無し:2010/12/26(日) 13:27:56 ID:ZX07P7w6O
- 数年前のこの時期に起こった出来事をゆっくり書いてみる。
当時、自分は高校生で友達とバンドを組んでギターをやっていました。
当時は中学の時に親に買ってもらった安物のギターを大事に使っていたんだけど、高校生になりバンドを組みライブをしていくに連れて高いブランドのギターへの憧れが段々増していった。
でも、当時は高校生でまとまったお金も無く十万円を越すお金なんてとても用意出来なかった。
そんなある日、バンド仲間の友人からある話を持ちかけられた。
友人曰わく、年始の楽器屋ではバーゲンが行われており、そのバーゲンでは数量が少ない物のかなり格安で新品のギターを販売しているという話だった。
話を聞いた私は早速ネットで情報を調べて、バーゲンでの楽器の金額の安さに興奮した。
しかし、友人が言っていた通り商品はそれぞれが一点限りで手に入れるのはかなり厳しい状態だった。
実際にネットの書込でも「去年は徹夜した」という意見が少なかった。
私は途方にくれた
なぜなら、私が行きたかったバーゲンの日は1月2日だったので、徹夜ともなると元旦深夜から並ばねばならなかった。
さらに私は当時千葉に住んでいたのだが、楽器店は東京だった。
しかし、どうしてもギターが欲しかった私は親に頼みこんで承諾してもらい
バンドのベースと一緒にバーゲンに参加する事になった。
- 597 :本当にあった怖い名無し:2010/12/26(日) 13:38:21 ID:ZX07P7w6O
- 田舎に住んでいる人ならわかると思うけど、田舎の人からしたら東京のイメージってとにかく都会って感じなんだよね。
そんな感じで当時の俺たちも行きの電車ではかなりワクワクしていた。
だって元旦に田舎から東京に出て行ってさらに路上で一泊だぜ?
で、まぁ夜の十時くらいに東京の楽器店に到着したんだけど実際イメージとはかなり違った。
とにかく人が少ない。
まぁ、今考えると普通なんだけどそれでもかなり人は少なかった。
最初は2人でテンションが高かったんだけど、時間が十二時を迎えた頃には段々怖くなってきた。
楽器店にはネットの情報とは裏腹に俺達しか並んでいないし、辺りは暗くてとても寒かった。
駅が近かったから暇つぶしに駅まで歩いてみたりもしたけど、本当にに人がいない。
いつもはテレビの中で沢山の人が歩いている光景なのに人が全然いなかった。
一時になるころには俺達2人とも寒さで会話も少なくなって、店の前でただ固まってた。
- 598 :本当にあった怖い名無し:2010/12/26(日) 13:52:31 ID:ZX07P7w6O
- 確か深夜一時を過ぎたくらいだったと思う。
その頃に俺達は寒さで眠ることも会話をすることもできない状態だった。
あたりには俺達以外の人はいなくて、車がたまに通るくらいで人なんて本当に通らなかった。
それで寒さに震えていると突然、鈴の音が聞こえてきた。
俺と友人はびくっとして2人で顔を見合わせた。
「いま鈴の落としたよな!?」
「したした、てかまだしとらん!?」
俺達はお互いに顔を見合わせた後、声を抑えて耳をすませた。
辺りは真っ暗で、たまに通る車の音くらいしか音がなかった。
しばらくの静寂の後でまた鈴の音が「チリーン」と鳴った。
俺達はまた顔を見合わせて
「さっきまでこんな音しなかったよな?」
「うん、しなかった」
と言い合った。
するとまた鈴の音がチリーンと聞こえた。
- 601 :本当にあった怖い名無し:2010/12/26(日) 14:03:14 ID:ZX07P7w6O
- 寒さと暗さで精神的に疲れてた俺達は鈴の音にかなり怯えた。
鈴の音はそれからも周期的に鳴っていたんだけど、最初は遠かった鈴の音がなんだか段々近づいてきているような気がした。
「なぁ…なんか音大きくなってないか?」
どうやら友人も気がついていたらしく、かなり怯えていた。
鈴の音はそれからも周期的にゆっくりと鳴ってドンドン近づいてきた。
それどころか、鈴の音にまじってギシギシという音まで鳴り始めた。
- 606 :本当にあった怖い名無し:2010/12/26(日) 15:14:20 ID:ZX07P7w6O
- わかりました。なるべくきをつけて書くのでよろしくお願いします。
暫くたつと音が自分達のすぐ近くまで来てるのがわかりました。
楽器店の前には長い道が一本あり、私たちは道から細い道に入った楽器店の横に座っていました。どうやら、鈴の音は誰かが身につけているものらしく段々と鈴の音とともにギシギシと足音ねような音も混じって聞こえるようになりました。
私は怖いと感じながらも、田舎とは違い浮浪者でもいるのだろうと自分に言い聞かせ鈴の音が過ぎ去るのをじっと待ちました。
鈴の音が店の前に来たと思われるくらい近づきましたが、私たちには鈴の持ち主の姿が見えませんでした。
建物で持ち主の姿は隠れていました。すると、あと一歩でも進めば持ち主が陰から出るくらいまで鈴の音が近づいたとき、いきなり鈴の音がしなくなりました。
まるで鈴の持ち主がその場に立ち尽くしているかのようにいきなり鈴の音がとまりました。
私たちはもう怖くて、男2人なのに逃げる事もできずに体を寄せ合っていることしか出来ませんでした。
沈黙が三十秒ほど続いたくらいだったでしょうか、いきなりまた物陰から鈴の音が鳴り響きました。
しかも今度は今までと違いチリンチリンチリンチリンチリンチリンチリンチリンチリンチリンチリンッッッともの凄いけたたましく。
私たちはもう怖くてなんか適当に叫んでた気がします。
- 608 :本当にあった怖い名無し:2010/12/26(日) 15:34:23 ID:ZX07P7w6O
- そして友人が「出てこいよ!!」と叫ぶと、また鈴の音が止まりました。
私たちはもうなにがなんだかわからない状態。
すると、建物の陰からギシギシと音を立てながら鈴の持ち主が姿を現しました。その姿は一言でいうなら異質で私は見た瞬間にやばい、これはやばい物をみてしまったと思いました。
鈴の持ち主は老婆で多分八十くらいのお婆さん。服装は浮浪者というような汚い格好ではないんだけど、ジブリの作品に出てくるような感じの服装だった。髪はボサボサでよくわからないが、服には人形と風車が至る所につけられていた。
そして、両手にはなんというのかはわからないが、老人がよく使っているタイヤのついた荷物を運ぶのであろう鞄を手で押していた。鞄には聞いていた通り鈴が
吊してあって、さらに風車と人形がこちらにもつけてあった。鞄の中身はよくわからないが見る気にはなりませんでした。
私たちはもう言葉を発することも出来ずにただただ固まりました。やばい絶対にやばいと思いました。老婆は私たちの前に現れると歩みを止めてなにかぶつぶつ呟きながら立ち尽くしていました。
どうすることもできない私たちはその光景を見てることしか出来なかったのだが、暫くぶつぶつ呟いた後、老婆がこちらをギロッとみて顔をこちらに向けたままぶつぶつ呟き始めました。何分そうやっていたのかは分からないけど、とても怖かったです。
しばらくすると老婆が私たちの方を見てニヤリとと顔だけで笑みを作って声も出さずにまた道を歩き始めました。私たちは怖くて鈴の音が聞こえなくなるまでそこから動く事が出来ませんでした。
以上が自分が体験した不思議な体験です。なぜ老婆が元旦にあんな場所にいたのか、あの老婆がなんだったのか等は全くわかりません。
- 613 :本当にあった怖い名無し:2010/12/26(日) 15:54:42 ID:ZX07P7w6O
- >>612
ギターは無事手に入りました。情報と違って結局朝までに5人くらいしかこなかったですww
寒くて死にかけましたが