祖母の愛用の鏡

309 :本当にあった怖い名無し:2009/11/21(土) 01:30:17 ID:70RHuZ4a0
母の話。
母は祖母が亡くなった時に、祖母の愛用の鏡を形見にもらっていた。
その鏡は私も見たことあって、円形で手の平サイズ、持ち手はないタイプのもの。
母はお守り代わりに化粧ポーチに入れて持ち歩いていた。

ある日、見てみたらその鏡にヒビが入っていたそうだ。
そのヒビは漢字の「止」の字のような形になっていたらしく、
そのヒビに気づいた日の翌日は、友人達と車で旅行に出かける予定があった。
だけど母は、そのヒビを見て旅行に行くのは止めたんだって。
(結局、友人達だけで行った)

その話だけなら、思い込みなんじゃ?と思うんだけど、
それ以来、その鏡がどこを探しても見つからない。
母が大騒ぎして探してたけど、どこにもない。
311 :本当にあった怖い名無し:2009/11/21(土) 01:56:21 ID:70RHuZ4a0
↑続き

家族は、あの鏡が祖母の形見だって知ってるから、
母があの鏡を捨てるはずないのも知ってる。
その辺に置きっぱなしにしてたことも一度もなくて、
いつも化粧ポーチに入れてた。

鏡がなくなってから、父の転勤で引越しをすることになった時、
当時住んでたアパートを家族全員で探したけど、やっぱりなかった。
だから母以外は誰も鏡のヒビを見たことはないんだけど、
今思うと、きっと祖母が母の身に起こるはずだった何か悪いことを、
止めてくれたんだろうなって思う。

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