ユキゴ様

172 :本当にあった怖い名無し[sage]:2009/09/24(木) 22:40:53 ID:2z5+dsV0O
もしかしたら地域がばれちゃうかもしれないが…まあ気づいてもスルーしておいて。
私の父の出身地はちょっと変わっていて、花嫁衣装が黒らしい。少し古い家なら嫁入りの衣装として黒い着物を伝えてる。
黒い打掛は縁起物、っていう一般的な風習と起源は同じだと思っていたんだけど、どうやらそうではないらしい。
祖母曰わく、白い花嫁衣装にはユキゴ様が憑く。ユキゴ様というのは、よく分からないけど子供を殺す悪いもの。
昔、そこに住んでいた女たちの体にユキゴ様を分けて封じたんだって。だからユキゴ様は女たちの血の中で脈々と生き続ける。
ユキゴ様を封じた女から、その娘へと、ユキゴ様は伝わってゆく。
具体的には、娘が嫁に行くときに母と同じ衣装に袖を通すことで、やがて子を産む娘の体に住み替える。
このときユキゴ様を継ぐ娘が着るのは白無垢。ユキゴ様は無垢なものが好きだから、逃がさず受け渡すために白を着る。
娘に受け渡すより前に死ぬと、ユキゴ様が逃げてしまう。必ず娘を産まないといけない。
ユキゴ様のある家では、代々長女が家と着物を継いで、ユキゴ様を封じているらしい。
それ以外の家はユキゴ様に憑かれないように黒を着る。最近は廃れてるそうだけど。
ユキゴ様に憑かれると何が起こるのか、祖母に聞いた。何も起こらないらしい。
ただし、それはユキゴ様が力を持てないように分割して封じたからであって、一つになったら何か起こるかも。
だから、ユキゴ様をひとつにまとめないように、ユキゴ様の家系では娘は1人だけにし、
必ず遠くから婿を取って家同士の血縁が近づかないようしてるそうだ。

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