帰りなさい

776 :本当にあった怖い名無し[sage]:2009/04/09(木) 17:04:59 ID:oGHN5S8y0
大学2年のとき、大晦日に友達と神社で売り子のバイトをした。
男なんだけど、友達が神社の親戚ってことで。

朝方、終わってから「呑みに行こうぜ!」ということになった。
バイト代を奮発してもらたったのでテンションも高かった。
他にも女子バイトがいて、その子たちが更衣室を使うということで、
うちら2人は『普段使っていない小さな建物』を開けてもらい、そこで着替え。

俺が社殿に繋がる建物のトイレに行っている間、友達は着替えを済ませてもう外へ。
俺は急いで着替えをすることに。頭の中は「どこで呑もうかな」でいっぱい。

そのときに、どこからともなく女性の声で「うちに帰りなさい」と聞こえた。優しい感じ。
俺は「???」と思って回りを見たが、誰もいない。
しかもさっき開けてもらったばかりの場所なので、他に誰もいないはず。
きょろきょろしていたら、また「帰りなさい」と。

さすがにビビって急いで着替えて、出た。
神社の方に着替え終了の報告がてら、「あそこ、誰もいないですよね」と聞いたら、
「今日はあなたちしか使ってないよ。誰もいないけど」と。
なんだか気味悪くなったビビリの俺は、友達に「腹が痛いから帰りたい」と申し出た。

もしかして帰宅途中に何か事故でも起きるかと思って慎重になったが、何もなく帰宅。
しかし、家には誰もいなかった。まだ携帯もなかった時代なので、連絡もとりようがない。
てっきり俺は「みんなで初詣出かけたのか」と思い、いつのまにかソファでうたた寝。

しばらくして母親と祖父に起こされた。もう午後3時くらいだった。
「おばあちゃんが朝イチで倒れちゃって、即入院よ。今お父さんだけ残ってる」だって。
それから急いで病院へ向かった。それからまもなくして祖母は亡くなった。

もし呑みに行ってたら夕方まで俺は帰宅しなかったろうから、死に目に会えなかった。

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