牛丼屋にて

748 牛丼屋にて(1) [sage] 2012/05/25(金) 22:10:50.92 ID:NCB55hTj0 Be:
いわゆる「牛丼屋チェーン」のひとつ、YとかMとかSとか…。
そのひとつでの話。
ついさっき、その手のお店で飯を食ってきたとこなのだが、

店に入る。「いらっしゃいませ」と若いアルバイト店員。 空いている席に勝手に座る。
店員が、私の前に水の入ったコップを置く。 注文をする。
おにいちゃんが、復唱(+α)してハンディーターミナルを操作しながら、
奥に向かって大声で注文を伝えつつ、奥に向かって歩いて引っ込んでゆく。
待つ。

しばらくして、ちょっと面倒そうなお婆さんが入ってきた。どうやら『アルツな人』らしい。
そのお婆さんは、まず、自動ドアに驚き、入り口に立ち止まり、なにかブツブツ言っている。
やがて、こっちを向いて何か言い出した。
私に向かって言っているのかな?俺は返事しなきゃならないのかな?と思うが、何を言っているのか判らない。
で、そのお婆さんの目と口をよく見る。
どうやら、お婆さんは、私ではなく、私の横の席辺りに向かって話しかけているような気がする。
え?面倒だなぁ、どうするかな、やっぱり俺が対応しなきゃならないのかな?と悩んでいると、さっきの店員のおにいちゃんが、レジ前カウンターの中から、入り口辺りに立ち止まっているお婆さんに向かってちょっと大きめの声で、
「いらっしゃいませ、お持ち帰りですか」と声をかけた。
おにいちゃんは、なんか、ちょっと慌てているような気がした。
お婆さんは、レジ前カウンターのおにいちゃんの方によろよろと歩いてゆき、なにか注文を始めた。
が、どうも、こういう店に不慣れなのかそれとも別の理由なのかわからないが、上手く注文できてないようで、店員のおにいちゃんは、かなり手間取っているようだった。
お婆さんの声はよく聞こえないのだが、おにいちゃんの声は聞こえる。
そこから察するに 根本的に会話が成立してないようだった。
749 牛丼屋にて(2) [sage] 2012/05/25(金) 22:11:57.21 ID:NCB55hTj0 Be:
別の若い男の客が入ってきた。
私が居る列の向かいの列に座った。
奥から別のアルバイトの若い男が出てきて、
--こっちの店員を"店員2"とし、初めから居た店員を"店員1"とする --
"店員2"がその新規の客に応対した。
"店員1"は、その間も、引き続き、お婆さんの相手をしていた。
"店員2"とその新規の客、そして私は、「店員1」から見て、右斜め前方に居る。
"店員2"が「いらっしゃいませ」、その新規の客の前にコップを置く。客が注文をする。
"店員2"が復唱(+α)してハンディーターミナルを操作、そして…
突然、"店員1"が、"店員2"に対し、ちょっと大きめの声で、ちょっと慌てた感じで、
「あ、それ、そのままで」
と言った。
見ると、私の隣にコップがあり、
――私は、そのコップが何時置かれたのか、気がつかなかった――
"店員2"がそれを片付けようとしていた。
"店員2"は、頭の上に「?」を浮かばせながら、コップはそのままで奥に引っ込んだ。

やがて、お婆さんの息子らしき中年男が現れて、店員に謝ってお婆さんを連れて帰った。
 
お婆さんは、大量のお持ち帰りを注文していて、それが全部キャンセルになったので、
店員たちはちょっと面倒そうだった。
私が食べ終わって代金を払う時も、まだ、なんか話しかけにくい雰囲気だったので、
私は黙って店を出た。

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