黒白のまだらの猫

401 :本当にあった怖い名無し[sage]:2009/05/02(土) 18:42:45 ID:NfRyXqbz0
俺が大学生になる前までうちの近所にいた野良猫。
普通の黒白のまだらの猫だった。
猫のなかでも特にクーデレなやつだった。
受験に失敗して自宅浪人してたとき、俺は図書館帰りに近所の公園で煙草吸ってた。
公園といっても昭和の忘れ物で、何もかも錆びてるから人がいない。
未成年喫煙を隠すのに絶好の場所だった。
ストレスのせいもあったんだろうがまあDQNだったわな。
それで
「受験うぜー。塾でドーピングしてるやつら死ねよ」
とかブツブツ言いながらベンチでウトウトしてたらその野良猫が来た。
珍しく胸に登ってきたから撫でてやろうとしたら頬を猫パンチされた。
猫は
「××(俺の名前)、お前は馬鹿なのか?馬鹿め。馬鹿め。」
と言いながら俺を猫パンチしつづけた。
ひとしきり猫パンチしおわった猫は
「これは秘密だぞ。」
と言って、にゅふにゅふ変な笑い方をしながらどこかに行った。
寝ぼけてんのかと思って、もう帰ろうとしたら、カバンの中から問題集と煙草の箱が出てた。
煙草は猫のウンコまみれ。
参考書はページに何か挟まってて、開いてみたら猫が吐き出す毛玉だった。
その日以降、猫はいなくなった。
猫のウンコの臭いを思い出すから、煙草はやめた。
その年はちゃん志望校に受かった。
汚い記憶として猫が汚したページの問題を覚えてたが、それが最難問にドンピシャのヤマだった。
猫が言った秘密というのは、喋ったことなのか、煙草のことなのか、チートのことなのか…。
できればまた会ってお礼言ってみたいが、もう生きてないだろうなあ。

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