- 571:本当にあった怖い名無し:2009/02/12(木) 16:46:25 ID:39+GRZT30
- 今から16年ほど前、
高校生の時の、あまり暑くない夏の夜のこと。
当時飼っていた犬の散歩を夕方し忘れて、夜11時過ぎにすることにした。
その頃は遅い時間に犬の散歩に行くことはしょっちゅうだったので
別段おかしなことではなかった。
家は住宅街のど真ん中で、家を出て少し坂道を上ると、
道路をはさんで突き当たりに徒歩2分の場所に私の通う中学がある。
その中学の前を右に曲り、煙草屋と酒屋の前を通って再び右に曲り、
小道を通ってまた右に曲ると、自分の家に着くルートだった。
いつもは人通りが全くないわけではないけれど、
さすがに夜の11時を過ぎると誰も歩いていない。
街灯がぽつぽつとあるだけなので、月が出てないその日はほとんど真っ暗。
中学校の前を通り、あと20メートルくらいで煙草屋、という所でふと気づいた。
煙草屋の狭い屋根の下に、緑の公衆電話(ボックスではなく、鉄柱の上に
電話の入った透明プラスチックの囲いがしてあるタイプ)が設置してあるのだが
その公衆電話の前に誰か立っている。
目が悪い私は遠いし暗くてよく見えなかったが、黒っぽい服を着て、
屋根の下に頭をもたげて電話をしているように見えた。
当時は携帯電話なんてなかったから、そうやって夜間公衆電話で電話する人が
いるのは不思議ではなかったので、ああ誰か電話してるな、くらいに思い
犬に引かれててくてく近づいていった。
- 572:本当にあった怖い名無し:2009/02/12(木) 16:47:17 ID:39+GRZT30
- >571続き
あと3、4メートルでその公衆電話の人の後ろを通るというとき、あれ?と思った。
声が聞こえない。
電話をしているなら、離れているとはいえ車も人も通らず静まり返ったその道に
少なからず声が聞こえてくるはずだが、聞こえない。
小声で話してるのかな~と思いつつさらに近づいていく。
が、やはり聞こえない。
はてな?と思って2メートルほどの距離に来た時、何気にその人を見た。
電話から伸びてるはずの受話器のコードは見えない。ということは電話をかけてない。
その人は、ただ人の形をした黒い影のようで、屋根の内側に頭がつくほど背が高く、
異様に薄っぺらかった。
そして、前後にユラユラと揺れていた。
人間じゃない・・・。
そこで、突然気づいて血の気が一気にひいていった。
逃げたくてももう至近距離。犬は何にも気づかないのか、よりによって
その場で道路の匂いをふんふん嗅ぎ出して止まりやがった。
犬を引きずるようにグイグイ紐を引っ張って
その影の後ろを通り過ぎた。
真後ろを通ってもやっぱり何も聞こえない。
そちらを見たら、追いかけてこられるような気がして、必死で前を見て
早足で逃げた。
結局犬は何にも反応しなかった。
家に帰って、兄や親に言ったが、信じてもらえなかった。
私が遭遇したものはくねくねなのか、そうでないのかいまだにわからないけど
数日後、友人が同じものを友人宅近くの自販機の前で見たそうだ。
長文失礼しました。