- 811:本当にあった怖い名無し:2009/02/22(日) 00:04:16 ID:N0yibZWQ0
- 無償に心霊スポットに行ってみたい衝動にかられて友達を誘った
怖い番組や映画が大好きでよく見てたけど、眠れなくなるほど怖がりなんだ俺
でも行ってみたくて、地元じゃ有名なトンネルに夜中行こうってことになった
友達も俺も怖がりで、なんとかして少しでも怖くなくなる方法が無いか模索した
そこで思いついたのが「霊のほうがこっちに近づくのをためらう格好で行く」というもの
俺はブリーフのみのほぼ全裸にヌンチャクを持って、なおかつ常に満面の笑みで前歯を突き出し、
笑い声は「キョキョキョ」、腹にはマジックで「刺身ください」と書いた出で立ち
友達は従兄弟に借りたロビンマスクのコスプレで、両手には草刈りの時の鎌を持って、
ことあるごとに「ウォーズマンをわかってやれるのはこの俺だけだ」と言って鎌を上下させる設定だった
この時は、その友達のロビンマスクがとにかく俺にとって頼もしいヒーローに見えた
トンネルの道は酷い山道に続いていて、畑に行く地元の人以外あんまり使ってないみたいだから
人っ子一人会うことはなかかった。わかっていたけど、なんか虚しいだけだった
霊体験も何も無いまま淋しい空気で岐路につこうとした時、トンネルの向こうから足音がした
霊でも嫌だけど、人間だったらなおのことこの格好は見られたくないと思って急いで車に乗った
トンネルの中が微妙に見える位置に車が停めてあって、少しだけ人の影が伸びてるのが見えた
影が見えて完全に人間だと安心したんだけど、いきなり影の動きがピタッと止まったんだよね
「ん?」と思うのもつかの間、影が急に走り出したんだ。全力疾走っぽい足音がする
もうそこからはとにかく車を走らせて無言のまま友達の家に逃げ帰った
あの影の正体がなんであれ気になるから、また行ってみようと思う。あんましおもんなくてゴメン
ありえない場所、もう会えない人、今ではない時間、 幼い頃の不思議な記憶、 見えるはずのないもの。 そんな、怖くはなくても奇妙な経験を書き込むスレッド、 「不可解な体験、謎な話~enigma~」のエピソード置き場です。