- 俺が大学2年くらいの時の話。
友達何人かで、其々の知り合い(初対面も何人か)も連れ添って、有名な心霊スポットの湖に行った。
その日は雨が降っていて、湖の周りの道もぬかるんでて危なかったんで、湖を半周だけして、途中にある抜け道から公道に抜けてそのまま帰ろうってなった。
道は一人分くらいの幅しかなくて、片側は切り立った崖だったから他人が割り込んでくる場所もない。(続く
- >>3続き 傘差しながらだったし、「もうダルー」ってなってたら、道がちょうど3つに分かれてる場所があった。
ひとつは湖の続きの道、ひとつは公道に抜ける道だけど、もう一本あったから、どの道が公道に続くのかみんなで別れて調べようってなった。
俺が上り坂の道を調べようと歩いてたら、A君が一人だけどんどん下りの道を行きだした。
- >>5続き Aはせっかちな奴だったので、一人で雨の中行くのも危ないから、下りの道分担のメンバーが急いでAの後を追いかけてった。
結局上りの道は電波塔があるだけで行き止まりだったので、俺らも引き返して下りの道をどんどん進んだ。
結果的に公道に出れたんで、そこでみんなで合流してバス乗って駅まで帰ることになった。
- >>6続き そしたら、帰りのバスの車中、急にバスの目の前らへんで交通事故が起こった。
「しばらく通行止めになりますので、お急ぎのお客様はこちらでお降り下さい。」
そんなアナウンスが流れたので、俺らはバスに残って交通の復活を待つことにした。
最初はみんな携帯でゲームしたり話たりしながら暇をつぶしてたんだが、そんな中急にBが変なことを言い出した。
- 「あれ、この中で白い服の奴いないよな?」
全員「は?」ってなったけど、Bと今日初対面のはずの真面目なCまで「あ、ほんとだ。」
確かにその日のメンバーには、インナーも含めて白い服を着た奴は一人もいなかった。
彼らの話によると、下り道組は、先に行くAを追いかけている間、ずっと「白い服を着ていた人」を追いかけていたらしい。
しかし、Aは白には到底見えない格好をしていた。
- Bは絵も上手かったんだが、窓の結露に彼らが追いかけていたという人物の後ろ姿を描き始めた。すると、下り道組のみんなは「あああ!」という反応。
どうやら本当に彼らは白い人物を追いかけていたらしい。Aが行った後、途中で誰かが割り込んで来るようなことは道の構造的にも無理だ。
しばらくして交通が回復し、無事に俺らは駅についたが、みんなものすごく後味の悪いまま、その日は家に帰った。
- その日の夜、自室でのんびりしていた俺だが、急に湖に行った友人の一人からボイスチャットが来た。キャラに似合わず声が慌てているので、どうした?と聞いたら、チャットのほうにあるURLを貼ってきた。
そこを開いてみると、俺らがその日行った湖に関する心霊現象について書いてあるオカルトサイトだった。そこには、
「白い人影がよく目撃される。」
俺はその日しばらく眠れなかった。(終わり)