- 学生時代の話
夏休みのある日、1人の友人から連絡を受けた
そいつは当時、実家に住んでいたのだが、なんでも家族が法事で親戚の家に行くが
本人はバックレて残るから遊びに来いと言う
ようするに酒でも飲もうとの事だった
で、ヒマな友人を誘って俺を含めて4人でそいつの家に向かった
そいつの家は市内から離れた場所にあって、家の前に道路が1本あり、
その道路を挟んだ向かい側が全て畑だった
家の後ろ(北側)は小高い丘を切り開いたようで崖のようになっていて、
道路の片側に家が一列に並んでいる、特徴的な場所だった
北
切り開いた丘(崖状) ↑
□ □ □ □ □ □ □ □ □ □ ←家
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道路
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畑 ↓
南
- 夕方から集まったので、到着後すぐに夕飯を兼ねて酒盛りが始まった
2階にある友人の部屋で飲んでいて南側に面した窓があった
普段から仲のいい仲間内だったのでくだらない話でずっと話続けてた
そうこうしてる内に夜中の1時を回った頃に1人が怪談を始めた
夏だったし怪談を特に毛嫌いする奴も居なかったし反対も無かったので、
そのまま各自が持ちネタを披露していった
時間はハッキリと覚えてないが、ある友人が怪談の持ちネタを喋っていた時、
突然、女性の声で「キャーーーッ!」という悲鳴を聞いた
その瞬間に喋っていた友人も、聞いていた俺らも全員、ビクッとして固まった
もう、空耳とかのレベルじゃなくてハッキリと聞こえたんだよね
- 時間にして数秒、互いの顔を見渡して固まっていたんだが、1人が咄嗟に窓の外を見た
俺らもそれに続いて窓から辺りを見回した
前述した通りの場所なので2階の窓から見ると目の前の道路が左右どちらも見渡せる
が、誰も居ないし、人影のようなものも全く見えない
田舎の夜中だから物音なんかしないから人が歩いていれば足音に気付きそうだがそれも無い
車が通れば多少距離があっても音で分かるけどそれも無い
家の後ろ(北側)は基本的に人が通れるような場所ではないし、
近隣の家からTVとかの音も聞こえてはこなかった
結局、声の正体は分からずじまいだった
1人の友人が「怪談をすると呼んじゃうって本当だったんだ…」と言ったのが印象的だった
考えても分からないので、結局その日はみんなでそのままザコ寝した
その後は特に後日談は無い
俺も友人達も何事も無く、今もお互いに普通に生活してる
あの日の女性の叫び声は何だったのか今でも謎だ