- 680 :本当にあった怖い名無し[sage]:2009/08/15(土) 12:14:22 ID:fRe/l8W/0
- 4年前の朝、洗面所で左目にコンタクトレンズを入れようとして失敗し、落としてしまった。
いつもなら探せばすぐ見つかるのに、どうしても見つけられなかった。
そのときは眼鏡もネジがとれたところを針金で留めていて、外には恥ずかしくて掛けて行けない状態だったし、
遅刻するので、片方の目にだけコンタクトレンズを入れて出勤した。
昼近くになって、大事な書類を家に忘れてきたことに気づき、昼休みに家に取りに帰った。
朝、あわてていたから忘れ物をしてしまったと思った。
うちはみんな働きに出ていて、普段、昼間は無人なんだけど、
たまたま母と妹の休みが重なっていて、家には2人がいた。
すぐに2階の部屋にある忘れ物を取りにいこうとすると、階段の前の廊下にきらっと光るものが落ちていて、
よく見るとコンタクトレンズだった。なんでこんなところにあるのか、ものすごくびっくりした。
洗面所と階段の間には2部屋分の廊下があって離れている。
母と妹に聞くと掃除は終わってるし、何度も階段を行き来したけど気づかなかったと言った。
コンタクトレンズは洗面所で落としたときに服にでもついていて、階段のところで落ちたのかも知れない、
昼のうちに忘れ物を取りに帰れて、母と妹に踏まれずにすんでよかったと思った。
職場には左目にもコンタクトレンズを入れて戻り、書類も無事提出できた。
そして夕方帰宅すると、母から近所のおじいさんが昼に亡くなったことを聞いた。 - 681 :本当にあった怖い名無し[sage]:2009/08/15(土) 12:15:27 ID:fRe/l8W/0
- このおじいさんは、祖母のいとこで、小さいときはよくおじいさんの家に祖母と妹と遊びに行った。
私が高校生の時、猫アレルギーなのに猫好きで猫を飼っていたせいで、
左目の白目の部分がぶよんぶよんになって目からはみでるくらいになったことがあった。
初めてそんなふうになったので、原因も知らず、高校生のくせに大声でわあわあ泣いていると、
祖母が見かねて、おじいさんを呼んできてくれた。おじいさんは「なにをそんなに泣いとるんや」と少しあきれながらも、
おじいさんの娘婿が院長をしている眼科医院に車で連れて行ってくれた。
私にとっては一大事で診てくれたお医者さんと同じくらい、おじいさんにも感謝の気持ちでいっぱいだった。
おじいさんが亡くなったと聞いて、この左目のことでお世話になった思い出が頭に浮かんだ。偶然が重なっただけかもしれないけど、
左目のコンタクトレンズの件は、おじいさんがお別れを言ってくれた気がした。毎年お墓参りに行くと思い出す。
ありえない場所、もう会えない人、今ではない時間、 幼い頃の不思議な記憶、 見えるはずのないもの。 そんな、怖くはなくても奇妙な経験を書き込むスレッド、 「不可解な体験、謎な話~enigma~」のエピソード置き場です。