- 96 :その1[sage] :04/08/10 03:53 ID:2jThDdZ5
- 漏れが小学校低学年の頃の話。
その日は一緒に帰る友達がいなくて、一人でいつもの道を帰っていた。
学校を出て少しすると、下町の間を二百メートルくらいずっとまっすぐ歩くことになる。
そこは毎日行き帰りに使う道で、道沿いに当時通っていたそろばん塾や、友達の家もある。
特に何も思わない道で、本当に普通の道だった。
強いて言えばお寺があり、そこは随分と由緒の正しい場所で市の指定文化財になっている門があったりした。
(余談だが、小学生のまた別の時期に友達とこの門に小便を引っ掛けた。今考えれば何とも罰当たり)
ちょうど春の晴れた日で、暖かい昼下がりだった。
ぼーっとしながらテクテクこの道を帰っていた。
お寺の手前に差し掛かった時に、自分の五、六メートルほど前方に人が歩いているのに気付いた。
それは女の人で、麦藁帽子と白いワンピースを着ていたと記憶している。
自分と同方向に歩いているので顔は見えなかった。 - 97 :96その2 :04/08/10 03:53 ID:2jThDdZ5
- このお寺の辺りというのは、ちょうど漏れの住んでいた町内会の範囲に入っていた。
漏れは結構人懐っこかったので、自分の町内会の人の顔は大体知っていた。
しかしその町内にいるのは老人ばかりで、あまり若い人はいなかった。
そしてなによりその時のその人の存在感は、浮世離れしていた。(これは漏れの主観)
「あれー?○○町(漏れの住んでた町の名前)にこんな人いたかなあ?」
と思いながら、その人の後ろを一定の距離を保ったまま歩き続けた。
ふいに女の人は立ち止まり、こちらを向いた。
若い(10代後半から20代前半?)きれいな女の人だった。
その人は麦藁帽子に手を掛けながら、漏れに微笑みかけてきた。
凄く綺麗な笑顔だったと思う。
漏れはその人の笑顔に急に恥ずかしくなって、その場に立ち止まり
道端の石を蹴ったりして彼女が先に進むのを待っていた。
しかし彼女は笑顔のまま漏れを見続けていた。
しばらくそんな状態が続いていたと思う。
漏れは依然道端の物を足でいじくっていて、女性は漏れを見ていた。
「このままじゃあ埒が明かない」
と思った漏れは、意を決して前に歩き出した。
すると、彼女も漏れを見るのを止めて再び歩き出した。
結局その女の人はその一度見たきりで、その後全く見かけていない。
あの女性は何だったのか?
今では自分で何らかの解釈を与えようとしているが、
この出来事は自分に本当に起こったことなのかどうなのかがよく分からない。
思い出そうとすると、一種の白昼夢のような、ぼんやりとしていてそれでいてはっきりとした感覚を覚える。
しかし夢ではなかったと自分の中では確信している。それは確実に小学校低学年の時期にあった。
長文スマソ。よく意味が分からない話かも知れませんが、これは本当に漏れが経験したことです。
しかし今でも自分自身よく意味が分かりません。誰かこういう経験をした人って他にいませんか?
ありえない場所、もう会えない人、今ではない時間、 幼い頃の不思議な記憶、 見えるはずのないもの。 そんな、怖くはなくても奇妙な経験を書き込むスレッド、 「不可解な体験、謎な話~enigma~」のエピソード置き場です。