ある年の野活の時、恒例の肝だめしが行われた。場所は泉ヶ岳だ。
泉ヶ岳のハイキングコースを暗い中、数人のグループでゴールまで歩くんだ。で、先生たちが途中、茂みの中とかに隠れて脅かすんだけど。
大体先生たちの配置が終わった頃に、一人の女の先生が悲鳴をあげたんだ。他の先生が怪我でもしたかと思って駆け付けた。
見ると、女の先生は一人うずくまって震えていた。
どうしたのかと聞くと、自分は山の斜面の上の方に隠れて、生徒が来たら降りてきて脅かそうとしていたらしい。
しばらくして、がさがさと茂みを歩く足音がして、もう生徒が来たのかと山の斜面から歩道を見ていた。
そしたら、その先生のいるずっと上の方から、背が異様に高い、鎌を持った男が、凄い勢いで下り降りて来たそうだ。悲鳴をあげる先生を見て、男は一言
「薪を取りに来たんだ」
と言って、歩道を走っていったらしい。先生の言うことによると、男は、鎌は持っていたが、薪を入れるザルやカゴなどは、何も持っていなかったし、かなり暗い中から来たのに懐中電灯も持ってなかったそうだ。
その日から、先生たちが嫌がるのと、不信者が出たと言うことで、肝だめしはやらない事になった。
話ずきだった先生に、野活で肝だめしが無いことで不満を言った時に話してくれた話だ。
長文すんずれーしました。