- 子供の頃の不可解な話
よく神社やその付近の森で友達と遊んでいたんだけど、夏休みのその日だけはなんか
違和感があった。夏なのに、霧が濃かった。
でも、子供なので気にせず、鬼ごっことかしてた。
んで、しばらくたったあと、友達の一人が「おーいおーい」と呼ぶんだ。
行ってみると、森の脇に小さな道があるのだが、普通は2つある。
一つは小さな滝のほうに通じて、もう一つは小さな祠に通じてる。が、そのわきに小さな藪道ができてた。
いつもはなかったのに、昔かあるという感じで普通に道ができていた。
俺たちは「うおーっ行ってみようぜー」とテンションが高くなってた。
怪しい感じとかはしない。
で、友達数人で進んでみた。周囲は藪が茂っていたが、道自体は砂利が荒く敷き詰められていたと思う。進みやすかったんだ。
そのうち、前にお堂が見えてきた。
一瞬「あれ?こんなところに大きな神社?」
と思ったのもつかの間、出発した神社その場所だった。いつもと違う角度から見たから、別の建物だと思っていたようだ。
来た道をそのまま引き返してきたかのようだった。
何人かは焦ってたが、俺ともう2人はテンションあがってた。
「うおーすげー!なんだこれー!」「なんでもどってくんだー!?」とか騒いでた。
他の連中は怪しいのか、「変だよね」とか言ってたが、2人は「お前、ここで見てて。俺らちょっと行ってくる」
と言ってまた同じ小道を走って行った。
ここまででも奇妙な思い出なんだが、不可解なのはそのあとの記憶がないんだ。
走って行った2人も誰だったか思い出せない。
この記憶も、小学校を卒業して、中学に入った時にふと思い出したんだ。
あのあとも何度も神社に行くことはあったのに、そのことはバッサリ記憶が消えてた。
一緒にいたと記憶にある奴に話したこともあった。
けど「あ~、そんなことあったな~」と言って一応記憶はあるんだが、その走って行った2人については
「そうだっけ?あのあと気味悪くて帰ったと思う」と言っていた。
実際、神社に行ったが、道は2本だけであの時現れた小道はなかった。
- つづき
俺の記憶違いかな~とでも思ったんだが、少し前に同窓会があって久々に幼馴染たちに会って話した。
すると、一人が、「こんなことなかったっけ?」と前述のことを話し出したんだ。
俺は青ざめた。そいつの中では、みんなで道を進んだ後に、俺が一人で走って行ったと記憶していると。
そして、俺がまた同じ道を通って戻ってきた、という。
中学の時に聞いたって奴も加わったが、なんせ昔のことで記憶があいまいで話の辻褄があわない。
ただ、おかしいのは、そこにいたのは確かに俺含めて5~6人はいたはずだが、
俺が記憶していた、「走って行った2人」が思い出せない。他に覚えていた奴が一人だけいたんだが、そいつは中学の頃に引っ越して
今回の同窓会には来ていなかった。
まぁそんな謎を残した感じで同窓会は終わり、連中とも納得のいかない感じで別れた。
その時メルアドをお互いに聞き、今年のお盆に帰省した時、3人で神社に行ってみることにした。
そうなったのは、一人が「気になることがある」とか言ったからだ。
俺の言う「記憶から消えた2人」に関して、高校卒業後、地元に残った彼が妙な噂やらを聞いたという。
それと何の関連性があるかわからんけど、とも加えた。詳しいことは聞けなかったが、なんか気味悪いなぁと思わずにはいられない。