バレンタインデーの不思議な体験

【kinohaさんからの直接投稿】 
 
バレンタインデーの出来事です。
私が小学1年生だった頃、 土曜日でしたが当時はまだ学校があり、小学生は半日で帰宅していました。
自宅のすぐ近くで自転車に乗った母を見つけ、母も私を見つけて手を振りました。
その瞬間、母は交通事故に遭いました。
大破した自転車と頭から血を流して倒れている母。
ぐちゃぐちゃになった、買ったばかりのバレンタインのチョコケーキ。
母はすでに意識がなくなっていました。

幸い救急搬送されたのはすぐ近くの病院。
個人病院だからか時代なのかわかりませんがICUなどの設備はなく、普通の病室でした。
ドアには赤い文字で書かれた「面会謝絶」のプレートがありました。
意味は説明されて知っていましたが、まだ1年生。
どうしても母に会いたかった私は、静かに病室のドアを開けて中に入りました。
ベッドを囲むように閉じられたカーテンを小さく開けて中を覗いたその時です。
1年前に亡くなったはずの祖母(母の実母)が、母の身体の上に乗り、まるで首を絞めているように見えました。
「おばあちゃん?」
私が言うと祖母は私を見つけて優しく笑いました。
そしてスゥーっと、母に吸い込まれるように消えていきました。

「あ、コラ!中に入ったらダメでしょー」
振り向くとドアが開き、看護婦さんが経っていました。
「気持ちはわかるけど、お母さんは今大変だからねー」
 看護婦さんが言い終わるかどうかのタイミングで、今度は後ろから
「あれ?ここは...?」
意識が戻らないかもしれないと聞かされていた母が、目を覚ましてこちらを見ていました。

後日、母から聞いた話ですが夢を見ていたそうです。
亡くなったはずの祖母に肩を掴まれ、まだ小さい子ども達がいるのに私のところに来るんじゃない!
おまえが来るのは30年後だ、と言われたのだとか。
だから30年後に死ぬのかな~なんて笑っていました。
しかし母は、それから30年後の事故と同じ日に、心不全で本当に亡くなってしまいました。
毎日メソメソしていると、ある日母が夢に出てきました。
「こっちですごく可愛い子に会ったのよ。あなたのところに行くように言ったら喜んでたよ」
直後に私の妊娠が判明。
母の死から1年後、長らく子どもがいなかった私は無事出産しました。
不思議な体験は、バレンタインデーがくる度に思い出します。

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