- 195 :2-1[sage] :2005/12/28(水) 01:08:07 ID:1vV/NiAL0
- 京都にある晴明神社に行ったときのこと。
安部の晴明は今でこそ有名で、観光客もたくさんいるらしいが、
十年近く前のそのころは一般的にはあまり知られていなくて、
神社もぜんぜん人気がなかった。
私も、友達に聞いてはじめて存在を知った。
話の種に行ってみようということになったんだけど、ガイドブックにも
場所が載ってなくて、友達の記憶だけを頼りにバスに乗った。
手前のバス停で降りたところ、周囲は京都っぽくないビジネス街。
神社なんかありそうもない。
この時点で「こんなところにあるのか?記憶違いじゃないか」と
疑ったんだけど、一本道ですぐ着くといわれたのでとりあえず歩いてみた。
ところが行けども行けども神社は見つからない。一条戻り橋についてしまい
ここまで行くと行き過ぎだという事でもと来た道を戻った。
ところが、やっぱり見つからず今度はバス停に戻ってしまった。
場所を間違えてるんじゃ?と聞いても、確かにここだと友達はいう。
川と建物に挟まれた一本道の途中にあり、脇道にも入らないと。
ひそかに疑いながら、また歩いてみた。ゆっくり、建物側を見回しながら。
でも見つからない。また戻り橋。また戻る。またバス停。
3,4回は往復したと思う。いい加減疑いも頂点に来て、歩きながら
「やっぱり間違えたんだよ、だいたいこんなところに神社があるなんて変だよ」
というと、
「あんたが疑ってるから見つからないんじゃないの」
と返された。
そこで、ああ、そういうこともあるかもという気になり、ちょっと反省して
そうかなあ、と思いながらなんとなく横を見た。 - 196 :2-2[sage] :2005/12/28(水) 01:10:02 ID:1vV/NiAL0
- 晴明神社の、門のまん前だった。
もう全身冷や水浴びせられた気分。
とにかく失礼なこといってごめんなさいと門の前で謝り、お賽銭弾んでさらに謝り、
友達にも謝り倒して、ほうほうの体で逃げ帰った。
友達には、あんまり疑ってるからからかわれたんだよと言われた。
その後何度か行ったけど、それからはスムーズに見つけられた。
敷地も広いし、壁の感じもビルとはぜんぜん違うし、ちゃんと道案内もでてたし、
二人がかりで探したし、普通に見ていれば見つからないわけないんだけど、
どうしてあの時迷ったのか不思議でしょうがない。
やっぱりからかわれたのかと思う。
ありえない場所、もう会えない人、今ではない時間、 幼い頃の不思議な記憶、 見えるはずのないもの。 そんな、怖くはなくても奇妙な経験を書き込むスレッド、 「不可解な体験、謎な話~enigma~」のエピソード置き場です。