- 315 :本当にあった怖い名無し[sage] :04/11/01 22:41:09 ID:VaPbAb7U
- たしか高校のころだったと思う。
私は夜、部屋で図書館で借りてきた本を読んでいた。
季節は初夏で部屋のドアを開けっ放しにしていたことを覚えている。
ふと何かの気配を感じてなんとなくドアの方を見つめると、
ドアの左端にチラリと鮮やかな黄色い色が覗いていた。
なんだろう?と思いながら見つめ続けていると、それはだんだんと姿を現した。
黄色いワンピースだった。しかも宙に浮いている。
まるで透明人間が着ているみたいに宙に浮いたワンピースは、
ふわふわとドアの左から右へと移動していき……消えていった。
今から思っても不思議だが、その時はなぜか「なんだ、服か」とだけで
また読みかけの本に戻ってしまった。
しばらくして本を読み終わった後、トイレに行こうと立ち上がったときに
ワンピースが現れた左には兄の部屋、消えた右には姉の部屋があったんだが
そのふたつを覗いてみたが、兄も姉もまだ帰ってきてはいなかった。
ただ姉の部屋にクリーニングの袋を被ったあのワンピースが掛かっていた。
今から思うとただの幻覚かもしれないが、不思議な出来事として今も覚えている。
ありえない場所、もう会えない人、今ではない時間、 幼い頃の不思議な記憶、 見えるはずのないもの。 そんな、怖くはなくても奇妙な経験を書き込むスレッド、 「不可解な体験、謎な話~enigma~」のエピソード置き場です。