- 632 :本当にあった怖い名無し :04/09/11 14:41:49 ID:bBICPQ3V
- ちょっとした錯覚(?)のお話。
大学時代に住んでいたアパートは、細かな砂利が敷かれた路地の奥にあって、
路地の出入り口の両側は、各々一軒家になっていた。片側は生け垣だけれど
反対側はブロック塀で、問題なのは、路地の出入り口になっている塀の角の部分。
どうも、このブロック塀の角、地面と接しているところが、U字溝のフタが外れて
ぽっかりと開いているような気がして仕方がない。実際に細かな砂利の下に排水溝は
通っているんだけど、ちゃんとコンクリのフタがしてあって、砂利が被さっている。
片足落ちるんじゃないかというような穴なんか、当然空いていない。
視界の端で見ていると、黒い開口部が見えている。でも、きちんと視線を向ければ
普通に砂利が敷き詰められた路地の地面。そんな感じ。
何度確認してもこの奇妙な感覚は消えてくれず、結局そのアパートに住んでいる間中、
ありもしない排水溝の「フタのないところ」を避けて通り続けた。
ずっと自分だけの見間違いだと思っていたら、当時アパートに遊びに来ていた友人たちの
大半が、実は同じ錯覚を覚えていたらしかった。中には、「フタなんかあったっけ?」と
穴の存在自体疑わない猛者までいる始末。
何の変哲もない路地の風景に、そんな錯覚を起こさせるどんな要因があったんだか、
いまだに分からない。
ありえない場所、もう会えない人、今ではない時間、 幼い頃の不思議な記憶、 見えるはずのないもの。 そんな、怖くはなくても奇妙な経験を書き込むスレッド、 「不可解な体験、謎な話~enigma~」のエピソード置き場です。