- 二年前に体験した、怖くないけど不思議な話です。
私は事務職で殆ど椅子に座って仕事をしているのですが、座っているとつい足を組んでしまう癖があります。
ある時、いつものように足を組むと、何かがちょいちょいと爪先に触れました。
私は何故か何の迷いもなくそれを猫だと思い、爪先をブラブラさせて構ってみました。
するとその何かはテシテシと遊んできたので、微笑ましく思いながら暫く爪先を揺らしていました。
勿論会社に猫が居るはずもなく、後で机の下を覗いてみてもコードなど足に触れそうなものは何もありません。
でも別段怖いわけでもなかったし、放置することにしました。
- その後も私が椅子に座って足を組むと、何かが爪先にじゃれてきました。
エアー猫構いは一ヶ月くらいは続いていたと思います。
たまに肉球らしきものがパンプスに覆われていない足の甲に触れることもあったので、多分猫だったのだと思います。
ある日、少し遅い昼食から戻って足を組むと、
机の下の何かが私の足を引っ掻いたようで、驚いて足を引っ込めました。
足を見てみれば、踝のあたりからストッキングが電線してミミズ腫れのようになっていました。
いつもなら足元は見えないですし就業まで放置するのですが、間が悪いと言うか、
その日は来客予定だったので、仕方なく更衣室に行くことにしました。
- 私が更衣室につくほんの少し前、エレベーターを降りた直後に大きな揺れが来ました。
東日本大震災でした。
私の席の上の蛍光灯が落ちて割れたり、後ろの棚が倒れてきてたり、
私の部署で一番被害が大きかったのは私の席周辺だったようだと隣の席の同僚から後で聞き、
もしあの時机の下の何かが私の足を引っ掻かなかったら…と思うと、後からとても怖くなりました。
- これ自体も不思議だなーと思ったのですが、
私は家族に喘息持ちがいて動物とはほとんど関わった事がないのに、なんで猫らしきものが助けてくれたんだろう?と、それが一番の謎でした。
今日久しぶりに隣の席だった同僚と会うので、ふと思い出してカキコでした。