- 19 名前:あなたのうしろに名無しさんが・・・投稿日:02/06/09 18:29
- 学生のとき、友人と民宿に泊った。
そこは古い民家みたいなところで、母屋の隣にでかい蔵があった。
で、民宿のばあちゃんが言うにはその蔵には神様が祀ってあるから
入るなとのこと。
そんなこと言われると、入ってみたくなるのが人情ってもんで、
例に漏れず友人と連れ立ってこっそり蔵の中をのぞいてみた。
覗いた僕らは唖然とした。
蔵の内壁には伊勢神宮にあるような神代文字?が赤い塗料でびっしりと
書きこまれており、そこかしこにお札が貼ってあった。
で、やばいと感じた僕らはそそくさと部屋に戻り、
その後は飯食って酒を飲んでた。
そうして夜も更けた頃、
蔵の方から突然ばんばん!!ばんばん!!と、音がする。
蔵の扉をたたいているような音だった。
不審に思った僕らは泊っていた母屋の2階から蔵のほうを見てみた。
蔵の扉は内側から強い力で叩かれ、叩かれるたびにすごい音をたてていた。
僕たちはその光景を呆然と眺めていた。
すると突然、蔵の扉がばん!!と開き、中から人影が飛び出してきて
あっという間に外に走り去ってしまった。
目の錯覚かと思った。 見間違いかと思った。
蔵から走り出てきたのは、
犬の頭部を持った人間だったからだ。
その後、祟りなんてものには全くあっていない。
ただ、その地方に犬神っていう神様がいることだけは何かで聞いた。
ありえない場所、もう会えない人、今ではない時間、 幼い頃の不思議な記憶、 見えるはずのないもの。 そんな、怖くはなくても奇妙な経験を書き込むスレッド、 「不可解な体験、謎な話~enigma~」のエピソード置き場です。